女優として円熟期を迎えている長澤まさみさん。そんな今の彼女があるのは、9年前の“あの映画”で、自らの清純派イメージをぶっ壊した“あの演技”があったからだと思うんです。

 現在、長澤まさみさんが主演で信用詐欺師役を演じる痛快エンタメ・コンゲーム作品『コンフィデンスマンJP』が、大ヒットしています。

映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』公式サイトより

『コンフィデンスマンJP』は2018年4月期の月9ドラマとしてフジテレビ系で放送され、昨年5月公開の劇場版第一弾は興行収入約30億円、今年7月公開の劇場版第二弾は前作越えの興行収入約35億円。長澤まさみさんの新たな代表作と言っていいでしょう。

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 しかし、10年ほど前は、今の活躍から比べるとやや低迷していました。そこから抜け出し今の地位を確立するまでの長澤まさみさんの軌跡を、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者が分析していきます。

陰と陽、両極端の主演作がくしくも7月に公開

『コンフィデンスマンJP』で長澤まさみさんが演じる主人公は、そのときのターゲットに応じて極道の女、中国人美術商、CA(キャビンアテンダント)、JK(女子高生)などになりきります。ともすればコントのようになりかねないコスプレショーも、彼女は良い意味で吹っ切れたテンションで演じ、上質なエンターテインメントに昇華させているのです。

『‪コンフィデンスマンJP‬』公式Instagramより

 

 一方、7月は、もう一つの主演作も公開されました。少年による祖父母殺害事件という、実際に起きた事件から着想を得た社会派問題作『MOTHER マザー』。彼女が演じたのは事件を起こす少年の母親で、貧困生活のなか、ゆきずりの男たちと肉体関係を持ちながら刹那的に生きる荒んだ役どころ。歪んだ愛情を息子に注ぎ執着する毒親の狂気を怪演しました。

 くしくも今年7月に作品カラーが真逆とも言える主演の2作品が公開。彼女の演技の幅の広さや深さに脚光が当たり、“女優・長澤まさみの現在地”が円熟期に突入していることを示したのです。