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左胸を“ぐわしっ”と鷲掴み… 長澤まさみ33歳、「エロ路線」解禁の歴史

2020/11/17
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『モテキ』で森山未來相手に“エロ路線”解禁

 もちろん、ただ再共演しただけでは『セカチュー』(=清純派)の呪縛は解けませんが、長澤まさみさんは『モテキ』に出演するにあたり、ある英断を下していたのです。

 それは“エロ路線”解禁。

©️文藝春秋

 “エロ”という表現は少々下品ですが、あえて“セクシー路線”のようなオブラートに包んだ言葉ではなく、長澤まさみさんの勇気ある決断に敬意を表する意味で、“エロ路線”と言わせていただきます。

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『モテキ』で長澤まさみさんが演じたのは、森山未來さん演じる主人公が恋をするカレシ持ちの雑誌編集者。

 Twitterを通じて知り合った二人はリアルで初めて会った日に飲みに行き、趣味やノリが合い意気投合。居酒屋のシーンではタンクトップ姿の長澤まさみさんの胸元がアップで映されます。その後、夜中まで飲み歩き、気づけば主人公の家で二人きり。長澤まさみさんは酔い潰れて爆睡しており、ショートパンツから艶めかしく太ももを覗かせるのです。

 翌朝、ベッドで寝ぼけながら主人公から水をもらった彼女は、主人公に「飲む?」と尋ね、口移しで水を飲ませるという口実で自ら濃厚キス。そこから「寝よ」と言って彼と一緒に横になり、主人公は彼女の左胸を“ぐわしっ”と鷲掴み……。

 このような一連のシーンを、清純派路線を決定づけた『セカチュー』のお相手・森山未來さんと演じたことに、大きな意味や価値があったことは言うまでもないでしょう。

 本作のヒロインはビッチというわけではないんですが、長澤まさみさんの演技がともかく生々しく、“ワンチャン、ヤレそう”感の破壊力の凄まじさは驚異的。間違いなく、当時の彼女にとっての新境地でした。

2016年の長澤まさみ

 とは言え『モテキ』での“エロ路線”が功を奏したのは結果論かもしれません。というか、清純派路線で獲得してきたファンが離れていってしまうリスクもあったわけで、長澤まさみさんからしたら大きな賭けだったのではないでしょうか。