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「性接待」も日常的…送り出し機関“ベトナムツアー”の実態

 教室をのぞいてみれば生徒たちがいっせいに立ち上がり、

「ようこそお越しくださいました! いらっしゃいませ! 私たちは日本の技術を学びたいです! 一生懸命がんばります!」

 などと、日本語で声を合わせて唱和する。異様な光景だが、

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「もちろん事前に、客が来るからピシッとしとけ、と言いつけられています」

 と語るのは送り出し機関の関係者で、この手の“ツアー”にたびたび同行している日本人Tさん。校内を回った一行が、校長室や応接室で次に見せられるのは、山のような日本語検定の合格証の束だ。日本語能力試験(JLPT)、日本語NAT-TEST……どれも高得点で生徒たちの優秀さをアピールするが、

「詳しい人が見れば、このテストはサインの位置がおかしい、役所の印鑑が異なる、点数配分が違うといったことがわかります」(Tさん)

 偽造である。ろくに日本語を教えず、書類だけ偽造している送り出し機関が多いのだが、それに気づかず企業の担当者はいたく感心して宿泊先のホテルへと案内される。そこにベトナムの美女たちが待っているのもよくある手口だ。

ベトナムも経済発展を続けているが、まだまだ「海外出稼ぎ」は多い

「好きな子を選んでください」

 と迫られ、きっぱり断れる企業担当者はあまりいないという。こうして夕食まで2時間ほど、計算されたように空いた時間を部屋で楽しむことになる。その後の夕食や飲みの席は、女性がかいがいしく担当者を世話する。

「うちはひとりアタマ月500円でいいですよ」

 旅程はたいてい、2泊3日。最後の最後に契約の話となる。

 実習生を受け入れる企業は、監理費という形で、実習生ひとり当たり毎月2~5万円を組合に払う必要がある。このうち一部は送り出し機関にも還流されていく。もちろん話を仲介したブローカーも「分け前」にあずかるのだが、

「うちはひとりアタマ月500円でいいですよ」

 などと、極めて良心的なことを言う。監理費や、実習生来日後の研修費などを含めても、日本人を雇うよりはるかに安い。