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 殺害されたのは、飲食店経営者の男性で当時31歳の若さだった。後に判明したことだが、関東連合OBグループとは無関係の人物。関東連合OBグループと対立する人物と間違えられて命を落とすという理不尽極まりない結果を招いた。

関東連合リーダー格の実像

 この事件では2013年1月、警視庁は関東連合OBの20~30代の男18人を凶器準備集合容疑で逮捕。同月末には、殺人容疑などで9人を再逮捕し事件の全容解明を進めたが、事件に関与した数人はすでに海外に逃亡していた。

 2つの事件の捜査が進む過程でキーマンとなる男が浮上した。見立真一という男で、関東連合OBグループを統率するリーダー格だった。

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 見立を知る前出の関東連合OBが人物像について語る。

「見立はとにかく頭の回転が速く切れる男だ。何をするにも用意周到、準備万端。頭が良いというだけでなく、暴力的なことをするにしても容赦なく徹底的にやる。カネもかなり持っている。いまはフィリピンにいるが、一生暮らせるだけのカネもあるし、現地での生活に不自由しないしっかりとした支援者がいると聞いている。とにかく大した男だ。関東連合は一時期、活動を停止していたが、見立が関東連合のOBたちを集めて色々な仕事をしていたようだ」

 見立については、警視庁が殺人と凶器準備集合容疑で逮捕状を取って指名手配しているうえ、捜査特別報奨金制度に基づき重要情報の提供者には懸賞金上限額600万円が支払われることとなっている。

(写真はイメージ)©iStock.com

「半グレは準暴力団」立ちはだかる警察

 当時を知る警察当局幹部が、今でも「公衆の面前で躊躇なく残忍な方法で殺害に及んだ。非常に危険なグループで看過できなかった」と語るフラワー事件。後に警察が本腰を入れて「半グレ対策」に乗り出す契機となった。

 半グレは、当然ながら「関東連合」だけではなかった。警察当局が当時、捜査対象としていたのが「怒羅権」と呼ばれたグループだった。関東連合と同じく暴走族OBが中心で、東京の江戸川区や江東区などの下町地区が活動拠点。中国残留孤児の2、3世が主なメンバーだった。

 その粗暴な行動は関東連合の向こうを張るほどで、暴力団相手の事件も多かった。2011年には東京・六本木の飲食店内で指定暴力団幹部ら5人を20人以上で取り囲みビール瓶などで殴り重傷を負わせた事件や、東京・錦糸町で暴力団組員とトラブルになり、殴る蹴るの暴行を加えたうえ刃物で耳を切断する事件も起こしている。

 警察庁は「フラワー事件」後の2013年3月、半グレグループについて、「準暴力団」と位置付け、警視庁をはじめとした全国の警察本部に情報収集を進めるよう通達を出した。警察当局が本格的に、半グレの活動の鎮圧に乗り出すこととなったのだ。

 まず警察庁は、半グレグループのメンバー構成や活動資金を獲得している実態などについて情報収集を進めることを決定。全国の警察本部で収集した情報を警察庁のデータベースに登録し、組織犯罪や少年事件、暴走族などの事件を捜査する部署で情報を共有するとした。