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2020/11/23

source : 文藝春秋 digital

genre : エンタメ, 芸能, テレビ・ラジオ

第7世代の台頭、これからの仕事に対する不安は

――先日、オアシズの光浦靖子さんのエッセイが話題になったんです。だんだん仕事が減ってきていると感じる不安な中で、もう一度人生を見つめ直そうと留学を計画したら、コロナでそれもままならなくなってしまった……という内容が共感を集めていました。ひとりさんは、今回のコロナだったり、ご自身の立ち位置だったり、第7世代と呼ばれる若い子たちが出てきたり、これからの仕事に対する不安みたいなものを感じることはありますか? 

ひとり 全くないというと嘘になりますけど、しょせんどうなるか分からないや、というふうにも思ってる。あと、そもそもが僕なんか本当に仕事がなかったですからね。借金も200万ぐらいあったし、全然テレビに出れない時間があったから、それに比べたらありがたいなといつも思ってるんで。本当に奇跡だと思いますよ。僕なんかのたれ死んでてもおかしくなかった。

 

――今はすごく真面目な番組でパネラーなどのお仕事もされているのに。

ひとり いや、ほんとに……ろくでもなかったですね。ギャンブル行って負けて、サラ金行って、そのまま朝の安い時間を狙って早朝ヘルスに行って。そこはちゃんと節約してたんですね(笑)。いやぞっとしますね。人生あのままだったら。たまたまどこかで歯車がいい方向に回り出して人生がうまく転がって、ありがたく今こうやってテレビに出させていただいて、家族を養えて、子どもも3人いますが。当時の僕の生き方からしたら本当に棚ぼたもいいところというか。

 

――なにがターニングポイントだったのでしょう。

ひとり うん……自分のことを全く才能がないとは思わないけども、じゃあ、この芸能界、僕と同じぐらいの才能があるやつなんてゴロゴロいるんですよね。やっぱり宝くじみたいなところもどこかあって。どこで誰とどんな番組に出会うかというのがすごく大事なんです。

 ライブシーンには同じようなやつがいっぱいいましたけど、みんな辞めていって、今は普通のお仕事をしている。一方で芸歴20年を超した、今でも全然食えてない後輩もたくさんいる。じゃあ、僕とこいつらって何の差があるの? というと、大差ないんですよ。「やっぱり劇団ひとりのほうがテレビに向いてるよ」と言われるかもしれないけど、それは僕がもうテレビに何年も出ていて経験値があるからであって、同じ経験をしていたら、そいつも間違いなく僕か僕以上になれてるはず。

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