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“異世界漫画”というジャンルの成り立ちは?

「“異世界漫画”は、異世界という名の架空の世界を舞台に繰り広げられる作品で、主に『小説家になろう』という小説投稿サイトに投稿された、“なろう小説”と呼ばれる作品を原作としています。

“なろう小説”は、2014年ごろから徐々に人気となり、その人気を不動にしたのは2016年にアニメ化された『Re:ゼロから始める異世界』(累計700万部)でした。これが大ヒットとなったことで、“なろう小説”というジャンルが確立された。

 しかし、2018年ごろになると、“なろう小説”の人気も下火になっていました。そんなタイミングに、『転生したらスライムだった件』(シリーズ累計2000万部)という作品がアニメ化され、爆発的なヒットを記録。同作品は漫画化もされており、これを機に“なろう小説”が漫画化された作品である“異世界漫画”が、一気に人気となっていったのです」(同)

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転生したらスライムだった件』はシリーズ累計2000万部のメガヒット

メイン読者層となる30代、40代

 いまや一大ジャンルとなった“異世界漫画”。しかし、これだけの人気となっていても、「10代、20代の若い世代に人気のやつね」程度に考えて、いまだに一作品も読んだことがないという人も多いのではないだろうか。

 しかし、実はメインの読者は30代~40代だという。

「10代~20代の若い世代も読んでいますが、その層は無料公開されている部分だけを楽しんでいるのかなという印象です。実際に、作品にお金を出して購入しているのは、圧倒的に30代~40代です。

 この世代はある程度お金を持っていますし、社会人として日々ストレスに晒されている。おそらく、その世代の人たちが、『漫画を読んでいるときくらい嫌な現実を忘れたい』という理由で購入しているケースが多いんではないかと思います」(同)

舞台が変わることで読者の現実逃避にも……? 『その門番、最強につき』第1話より ©友橋かめつ/あまなちた  双葉社