「小竹向原」には何がある?
……などなど書いてきたが、ここで謝罪をしなければならない。小竹向原が4方向に分かれていかにややこしいといっても、実際に降りてみたら周囲はごくごく普通の住宅地である。小竹向原駅周辺にお住まいの皆さん、迷宮扱いして本当にスミマセン。
丁重にお詫びしたところで、小竹向原駅の周りを歩いてみよう。東西2ヶ所に設けられた改札口のうち、東側の改札を出る。地上への階段を上がった先にはコンビニやファミレスがいくつかあり、その先は高台になっていて高台上のフェンスに「向原小学校」と看板が掲げられている。そして、有楽町線・副都心線が通っていた通りは小学校の下をトンネルで抜けていく。トンネルの入口には「向原トンネル」。地下鉄のトンネルはそのさらに下を通っているのだろう。
次いで踵を返して東側を望む。すると、こちらも同じように高台の下にトンネルが潜っていく構造になっている。トンネルの入口、こちらは「小竹トンネル」。さらに、木々に包まれた高台の上に登っていくと、こちら側には小竹小学校という小学校があった。
至近距離に相次ぐ小学校、トンネル…ナゾの答え
つまり、小竹向原駅から地上に出ると、東に向原トンネルとその上の向原小学校、西に小竹トンネルとその上の小竹小学校が互いに向き合っている姿を見ることになるのだ。ライバル店との競争で近隣に複数店を出店するコンビニチェーンでもあるまいし、こんな至近距離に小学校、必要なんですかね……。
この向き合う小学校(とトンネル)のナゾの答えは、地図を見ればわかる。地図といってもちゃんと自治体の境界が描かれているものだ。
それを見ると、この小竹向原駅の直上が板橋区と練馬区の境界になっているのだ。そして向原小学校は板橋区、小竹小学校は練馬区内。区が異なれば学区が違うから、こうして小学校が向き合う事態になってしまうのである。