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2020/11/21

genre : ライフ, , 娯楽, 社会

4時間かけてあの県道に到着!

 小川路峠は分断区間のほぼ中央に位置するため、この先にも同じだけの距離が待っている。永遠に休憩したいのを我慢して、峠を下りはじめる。国道を見に来たつもりが、もはや完全な登山になっていた。

小川路峠からの景色
鳥居だけがポツンと立っていた

 終盤に差しかかると道が荒れ、どこを歩けばいいのか、見失いそうになった。そして歩き始めて4時間、ようやく県道に出た。久々に見る舗装路は、何度も行ったり来たりした、見覚えのある場所だった。

 前回は気が付かなかったが、“秋葉街道”と書かれた案内板も立っている。案内板の脇に登山道があるわけだが、今さっきそこを降りてきた私が見ても、どれがその道なのかすぐには分からない。先週、ここに来たとき辺りは薄暗く、ましてや車道だと思い込んでいたので、なおさら発見するのは困難だっただろう。国道256号を全線踏破して非常に疲れたが、とても充実した1日になった。

最後はどこが道なのかわからないほど荒れていた
そして遂に県道が目の前に!
先日、何度も行き来した道に到着。“秋葉街道”と書かれた看板の横から登山道が始まっているのだが、明るい時間帯に見てもここに国道が走っているとはとても思えない

時代に取り残されてしまった酷道の魅力

「なぜこんな道が国道なんだ!」と思うような道でも、昔は重要な街道だったと知れば、納得できる部分もある。鉄道など他の交通手段の発展や、モータリゼーションの到来など、時代の流れによって交通の要衝も変化していく。

 今回、ドライブ中に地図に騙されたことをきっかけに、再び現地を訪れて登山する羽目になった。時代の変化に合わせて整備されてきた優等生の国道と違い、時代に取り残されてしまった酷道は、どこか人間臭さというか、親近感を覚える。

 たまには高速道路やバイパスを降りて酷道を走ってみるのも、楽しいかもしれない。但し、その代償として、多くの時間と気力と体力を奪われるのは、間違いないだろう。

 

撮影=鹿取茂雄

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