「(非婚者が)子どもを産むことも認めてほしい」(KBS)(*)
韓国で芸能活動をしている藤田小百合さん(41歳)が、日本で精子提供を経て非婚で男児を出産したインタビューが伝えられると、韓国では、「非婚出産」、「選択的シングルマザー」という言葉が急浮上。翌日にはテレビ、新聞などのメディアで大きく取り上げられ、国会をも巻き込んでの熱いイシューとなっている。
*非婚……「結婚しないことを主体的に選択すること」を指す言葉。
ツイッターやネットに書き込まれたさまざまな意見
「子どもは所有物でもないのに欲しいからといって……。子どもが成長して味わうだろう父親不在によるアイデンティティーの混乱などをどう引き受けるつもりなのか」
「小百合さんの非婚出産について子どもの立場を考えていない決断、という指摘には同意しない。同性愛夫婦の養子縁組、シングルマザー・ファザー、多文化家庭へ同じような視線を送っているのだろうなあと感じさせて、苦笑いが出る。子どものことを考えるふりをするその態度に」
「非婚出産にしても、結婚して子どもを持つことにしても、子どもの立場を考えていない点については同じような気がする」
「非婚出産では公的支援を受けられないから、そのことを考えると……」
ツイッターやネットではこんなさまざまな書き込みが延々と続いている。
「嘘をついたままの母親にはなりたくなかった」
藤田さんは、2007年、韓国のテレビ番組『美女たちのおしゃべり』(KBS)に出演し、人気タレントとなった。韓国メディアとのインタビュー(KBS)で、「子どもが欲しいからといって、すぐに愛してもいない誰かと結婚することは選択肢になかった」と語り、「韓国では体外受精など(非婚者には)すべてが不法だった」と日本で出産した背景について話した。
非婚出産を公表する前には知り合いからは、「精子提供を受けたことは言わないほうがいい。差別されるから」ともいわれたと話したが、「嘘はいけないと教えたいのに、嘘をついたままの母親にはなりたくなかった」と自身の出産を公開したとしていて、韓国では、「どんな理由であれ応援する」「すばらしい」などの声が男女問わず国会議員などからも上がっていた。