なぜ「春菊天」は関東の大衆そば屋にしかない？　みんなの知らない“春菊天そば”の世界

かき揚げ「ソフトタイプ」

　さて次はかき揚げ「ソフトタイプ」だ。

　中央区日本橋本町4丁目にある「おか田」はこのタイプで、見栄えも香りもよい。

　つけ天でいただく春菊天は彩もよく、そばにふる七味との色合いも最高だ。あついつけ汁に春菊天をくぐらせると、しっとりして食べやすい。

　神奈川県大和市の「そば処あさひ」の人気メニュー「春菊天そば」はしなやかに立体的にふわっと揚げられている。追いがつおしたつゆは、長距離トラックの常連達の胃袋を掴んで離さないわけである。最近は近所の住民もよく来店してくる。

　千歳船橋の「八兆」の春菊天そばはごま油が香る絶品である。温かいそばでも冷やしでも合う人気メニューである。

　御成門駅から近い「そば作」の春菊天は小さいが50円という安さでしっとりと旨い。あっさりとしたつけ汁につけて食べると大変心地よい。

　虎ノ門の「峠そば」の春菊天もごま油が香る傑作である。たいていは注文後に揚げるタイプで、この時期の春菊天も見逃せない。

　志村坂上駅近くの「さかうえ」の春菊天もこのタイプ。旨いつゆにひたして食べる春菊天とそばは絶品である。