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「そばの納品数と実売数の差は3%の範囲内で」 大手でも老舗でもない“古参人気そばチェーン”の独自戦略

2020/10/27
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「そば処かめや」は東京都内に6店舗を展開する人気大衆そばの古参店である。その母体は上野池之端の老舗割烹「亀屋一睡亭」である。昭和46年に新宿思い出横丁で開業して以来、代表取締役の荒川雄行(かつゆき)さんは、一代でその味を作り上げ守ってきた。

人気の「冷やし天玉そば」、天玉そばという名前を初めて使った店といわれている

 有名老舗店が使う蕎麦粉を仕入れ、粉の保存法や製麺方法、製麺機器や厨房の設計まで模索し改良を加えている。出汁は有名鰹節会社から吟味した鰹節・サバ節・宗田節などを仕入れ、自家製の返しで、江戸の味を作り上げた。つゆ、天ぷらは各店で作り、新鮮な状態を保つよう心がけている。今や東京になくてはならない人気ブランドとなっている。

こちらも人気の「冷やしたぬきそば」

「そば処かめや」の荒川社長さんにインタビュー

 そんな「そば処かめや」の荒川社長にお会いする機会があったので、コロナ禍での近況やその営業戦略などを聞いてみることにした。

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「そば処かめや」社長の荒川雄行(かつゆき)さんに突撃インタビュー

――コロナの非常事態宣言下では、休業などは実施しましたか?

荒川:「そば処かめや」では休業はしていません。ただ、24時間営業をやめたり、時短営業などの対応をしました。解除後は徐々に普段の営業時間に戻って来ています。

ー―コロナ対策で特別なことはしましたか?

荒川:感染予防の観点から、従業員のエタノール消毒の徹底、席の間隔をあけるなど、他店と変わらない対策ではありますが、対応しています。あと、各店舗は小さなお店が多いため、厨房の温度上昇を抑えるために、かなり強力な換気機能を持った換気扇システムを採用しています。ですから、入口の扉を開けて換気扇を作動することで、十分な換気を行なうことができます。