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2020/10/27

 基本中の基本ですが、折角お客さんに来ていただくわけですから、できるだけいつもと変わらない味を楽しんでもらいたいわけです。

 もちろん天水(天ぷらを作る小麦粉を水に溶いたもの)は冷たい水や氷を使い、カラッと揚がるよう工夫しています。そういうことは、いつもと変わらず、細心の注意を払いおいしい味を提供することを心がけています。

――コロナ対策で特に大切だと感じたことはありますか?

荒川:もちろん、コロナ禍でもお客さんがいつものように来店してくれるのは、本当に嬉しいことです。温かい言葉を挨拶代わりにいただくこともあります。それと同時に、やはり従業員をどうやって守るかは重要なことですね。緊急事態宣言下では時短営業などはありましたが、コロナ禍でも雇用を守ることを続けてきました。「そば処かめや」は勤続10年以上の従業員が半数以上います。そうしたベテランが若手に味を教えて、味の改良をしてそば屋の味を伝え守ってきました。今後もそれは変わりません。私だけでは到底、無理です。従業員あってのそば屋ですからね。

「創業以来変わらぬ味を提供することを心がけてきました」

――「そば処かめや」からお客様へメッセージがあればお願いします

荒川:「そば処かめや」の店舗は、銀座店以外はほぼ30年以上、同じ場所で閉店することもなく営業を続けてきました。それだけその地域の皆様に浸透しているともいえます。

 つゆの返しは45日間熟成させ、かけつゆは1日に何度も出汁をとりつくっています。もりつゆも芳醇な香りに仕上がっています。

 創業以来変わらぬ味を提供することを心がけてきました。いつでも手軽に美味しいそばを食べることができる店であり続けていきたいと考えています。お客様も十分にコロナにはお気を付けてください。そして、たまには「そば処かめや」に足をお運びくださると嬉しいです。

コロナ禍での発注管理はなかなかシビアな判断が必要だったという

 荒川社長は流暢に、時には感情をこめて、時には淡々とインタビューに対応してくださった。「そば処かめや」は「富士そば」、「ゆで太郎」、「小諸そば」といった大手チェーン店とは一線を画し、少し昭和の気配がする実直で独自の道を歩んでいるようにも思えた。