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「そばの納品数と実売数の差は3%の範囲内で」 大手でも老舗でもない“古参人気そばチェーン”の独自戦略

2020/10/27
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店の立地によって異なる回復度

――コロナによる営業売上への影響は深刻でしたか?

荒川:非常事態宣言下では、ほぼ全店で売り上げは半分以下まで落ち込みました。その後、解除とともに徐々に回復してきましたが、店の立地によって回復度が異なっています。

――少し具体的に教えていただけますか?

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荒川:銀座店はまだ5割を回復していません。大企業のリモートワークが多いエリアで、昼の客数が大きく減少し、また夜の街は未だ静かなままで、そうした関係者が激減していることが要因だとみています。

銀座店の売り上げはまだ5割を回復していない

 新橋店はまだ7割といったところです。虎ノ門や汐留の大企業にお勤めの方が利用されていたようで、現在はまだテレワークが多く、回復が遅れています。

新橋店の売り上げはまだ7割。虎ノ門や汐留ではまだテレワークが多く、回復が遅れている

 思い出横丁の新宿店は現在、8割まで回復しました。ただ、アジアの観光地みたいな立地で、外国人客も多かったのですが、その部分はすべてなくなりました。また近隣には大企業のオフィスも多く、ほとんどが今もテレワークです。その減った分、当時行列で敬遠していた近隣のオフィスワーカーが立ち寄ってくれるようになりました。ありがたいことです。

「そば処かめや」発祥の店、思い出横丁の新宿店は現在、8割まで回復

 神田西口店・東口店は8割まで回復しています。近隣の小規模の商店主などの来店が多く、また、閉店したそば店もあり、ぼちぼち回復してきたという状況です。

神田西口店は8割まで回復。近隣の小規模の商店主などの来店が多い
東口店も8割まで回復。西口店より来店数は多い

 御徒町店は9.5割まで回復しています。近隣に住んでいる方々が多く食べにきてくれているようです。ほかにもクルマで来る建築関係者や納品業者の方も利用されているようです。

御徒町店は9.5割まで回復。近隣に住んでいる方々が多い