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 かもめんたるのコントは全て、岩崎が台本を書いている。

 その内容は単にお笑いの範疇にはとどまらず、エロ・グロ・ナンセンスといった要素もあり、確かにテレビ向きではないことは否定できない。

 一方で、同業の芸人からは多くの支持を集めており、どちらかといえば玄人好みとも言える。ただ、その“職人気質”は当時、隆盛を誇っていた地上波での「ひな壇スタイル」にどうしてもマッチしなかった。

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2人が見出したテレビ以外の“活路”

 キングになった後も、コントの単独ライブを開催したり、キングオブコントに再挑戦したりと、もちろんコント師としての活動を続けている。

 だが、一方で、テレビでブレイクしきれなかった2人はその他にも、マルチに活動の幅を広げた。特に力を入れているのが、「劇団かもめんたる」としての演劇活動だ。 

 岩崎はこう言う。

「カンニング竹山さんとか、小島よしおに『劇団をやったら』って言われて、やってみようかなって。未知の領域でしたけど、テレビっていうところの水が合わないなっていう気もしていたし。そんな時に、新たな活動の場として、『演劇っていうのはいいのかな』って思いました」

 

 2人はキングに輝いた後にも、人気劇団の「ナイロン100℃」に客演として出演するなど、すでに演劇の世界に足を踏み入れていたが、2015年に「劇団かもめんたる」を旗揚げし、年に2回の公演を行うようになった。う大は脚本・演出をメインに、槙尾は演者としての活動だ。

 そもそも劇団として出発した2人だけに、それは原点回帰ともいえる新たな展開だった。

写真=釜谷洋史/文藝春秋

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