2013年にキングオブコント王者に輝きながら、なかなかテレビの世界ではブレイクしきれなかったかもめんたるの2人。

 ただ、テレビでの活躍の機会が減った代わりというわけではないが、2015年に「劇団かもめんたる」を旗揚げした。2人の原点でもある演劇の世界に再び軸足を置き始めたのだ。

 特に、全ての作・演出を手がける岩崎う大は、その活動に精力的だ。

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かもめんたる

 2020年には、劇団で上演した『GOOD PETS FOR THE GOD』の戯曲が、演劇界の芥川賞に相当する岸田國士戯曲賞の候補作にノミネートされるなど、演劇の方面でも評価され始めている。

 また、岩崎は、漫画作品『マイデリケートゾーン』を刊行したり、テレビドラマなどの脚本を書いたり、時には役者としても映画やテレビドラマに出演するなど、マルチな活躍を見せている。(全2回の2回目/1回目を読む)

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コント、演劇、漫画…異なるエンタメから岩崎が学んだこと

「僕は飽き性なところがあるので、漫画を描いてみたり、他の脚本を書いたり、演劇をやったり、いろいろ忙しなくしているんですけど、そのおかげで常にどの分野も新鮮な気持ちでできています。あとはいろんな分野に手を出すことで、『仮にひとつが失敗してもいいや』みたいに思えるところもある気がします。もちろん良い意味で…ですよ。

 コントもそうだし、演劇もそうだし、なんでもそうなんですけど、常に修行の場なんです。結局は自分を鍛えるためのことで、結果的にそれが、自分が一番誠意を込めてやれることでもある。そして、それが次の仕事にもつながるんですよね。

 例えば、劇団で90分間の話を書く時に、最初の登場人物の名前を決めている時ってめちゃくちゃ憂鬱なんですよ。でも、楽しいんです。修行だけど、自分の設定したハードルをきれいに飛び越えたっていう時には、その快感はたまらないものがあります」

 

 そして、そういった違ったジャンルの創作物に取り組むことは、互いに相乗効果を生むのだと岩崎は言う。

「いろんなことが互いに影響し合っているんですよね。例えば、漫画を描いていると、人の位置関係が大事で、それが演劇で演出するときにも生かされる。逆に、演劇の照明が漫画の背景などの描き方のヒントになるんです」