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“身分の保障”が得られない可能性が出てきたサラリーマン

 いっぽうで能力のないサラリーマンのままでは、これからは会社の中で排除されていく運命にある。村の掟しか知らずに時間を重ねてしまった彼らに生きる道はわずかなものとなってしまうはずだ。もはやサラリーマンという身分は保障されなくなり、在宅勤務という名の自宅待機を命ぜられ、楽しかったはずの村にも通うことすら叶わなくなってしまうだろう。

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 需要がどんどん膨らみ経済成長を続ける時代は誰でもが幸せをつかむ道があった。サラリーマンになって、大きな失敗もせずに真面目にコツコツ勤めていれば、年齢とともに給料も上がり、多少の違いがあったとしてもある程度の役職にも就くことができ、定年時にはまとまった退職金と大企業であれば潤沢な年金もいただけた。

 しかし今、サラリーマンの最上位層に君臨する大企業サラリーマンの間でさえも大きな変革が訪れている。このままでは身分の保障が得られない可能性が出てきた。仕事のしかたが変わる、組織が変わる、人の評価が変わる。ブランドで選んでいた就活にもやがて変化が訪れるだろう。

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今からでも遅くはない

 ところで、この不要となった大量のサラリーマンはどこに行けばよいのだろうか。日本の法律上では簡単に馘にはならないが、おそらく会社はこれまでのように彼らを手厚く遇してはくれなくなるだろう。もはや村民として楽しい暮らしを保証してくれることはない。

 残念ながら彼らが今までできると思っていた仕事の多くは、ITに代替されてしまう。いくら人手不足だといっても、事務系の仕事以外で、たとえば今さら肉体を駆使するような仕事に就けるとも思えない。

 サラリーマン苦難の時代の到来だ。だからこそ今からでも遅くはない。自分の職能、アビリティは何なのか。それが見つかれば徹底的に鍛え、磨き上げることをやっておかなければ手遅れになる。

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 おそらく現在から10年以内にサラリーマンという単語は死語となっているだろう。だいたいサラリーマンという職業定義はおかしなものだ。何ができるのか何も語っていないからだ。設計士だって鉄筋工だってコンピュータープログラマーだってユーチューバーだってなんとなく何をやっているかわかる。サラリーマンって? いったい、誰が何をしているの?