「男のニオイ」3つのピーク
「じつは男性の体臭には大きく3つのピークがあります。1回目は思春期から20代の“汗臭”、2回目は30代から50代前半にかけての“ミドル脂臭”、そして最後は50代半ばから増加する“加齢臭”。これらはそれぞれニオイの原因と出どころが異なります」
思春期のニオイの元は主として汗で、ニオイの発生源は“腋”。腋汗と皮脂が常在菌によって代謝分解されることで発生する「酸っぱいニオイ」が特徴だ。
対策は清潔を保ち、制汗剤を使うしかないのだが、言い換えれば、この年代のニオイは清潔さえ保てばどうにかなる。世間もこのニオイには比較的好意的な姿勢を示しており、話し合い次第では“青春”という括りで処理できなくもない。若いってすばらしい。
世間の目も厳しくなる30代からのミドル脂臭
ところが、30代から始まるミドル脂臭となると、世間の目も厳しくなる。
こちらは首筋や後頭部がおもな発生源。汗の中の乳酸が皮膚の常在菌で分解されて「ジアセチル」という物質が作られ、これが皮脂のニオイとブレンドされて完成する「使い古した油」のようなニオイ。
「この世代の男性は、入浴時のケアが雑になっていく時期でもあるようです。ミドル脂臭対策としては頭皮や首筋のケアが重要なのですが、洗髪時の抜け毛を怖がってシャンプーを適当に済ませてしまう人が意外に少なくない。その結果、頭皮の皮脂が蓄積されて、ニオイを作り出してしまう」(木村医師、以下同)
洗髪と抜け毛の関係
木村医師によると、洗髪が原因で抜け毛が促されることはないという。
「健康な頭皮の人でも1日に100本程度は髪が抜け落ちます。抜け毛が心配なら、シャンプーをする前にブラッシングをして、抜けるべき髪をあらかじめ落としてから洗髪をすればいい。いい加減な洗髪は皮脂や汚れをため込むので、ニオイだけでなく抜け毛を促進することにもつながって逆効果です」
マンダムの調査によると、1日の中でジアセチルが増える時間帯は、「夕方4時頃」と「朝6時頃」の2回。
「夕方の汗や皮脂は夜の入浴時の洗髪で流せますが、夜間寝ている間にも汗はかきます。ニオイが気になる人は、朝もシャンプーをすると効果的です」