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2020/12/12

加齢臭対策で「使ってはいけないもの」

 そして50代から始まる加齢臭は、胸や背中などの“体幹”がおもな発生源。皮脂腺から出る皮脂の中に、加齢とともに増える「パルミトレイン酸」という物質があり、これが酸化すると「ノネナール」という加齢臭の原因物質ができあがる。ニオイの専門家の間では「枯草のようなニオイ」と表現されるとか。個人的には枯草のほうがよほどいい匂いだと思うのだが……。

50代から始まる3回目のピークこそ「加齢臭」。乾燥はNG ©iStock.com

「こちらも入浴が重要。お風呂で皮脂をよく洗い流すことでニオイの予防は可能です。といっても石鹸をゴシゴシ肌に擦りつけてもあまり効果はありません。石鹸やボディソープをよく泡立てて、その泡を使って手で撫でて洗い流すようにします。この時“垢すりタオル”を使うのはNG。肌にキズが付いて乾燥がひどくなり痒くなるだけです」

 加齢臭の原因物質は着ているものにも移ってしまう。下着と違ってコートやジャケットなどは毎日洗濯するわけにもいかないので、ニオイ成分は日々蓄積されていく。コートを脱いだ時に「モワッ」と漂う加齢臭は、周囲の人たちに緊張感をもたらすものだ。

「加齢臭やミドル脂臭対策はお肌の手入れだけでは不十分。コートなどは家で脱いだら裏返しにして、抗菌消臭スプレーを振りかけて干しておくくらいの対策は講じたほうがいいでしょう」

垢すりタオルは乾燥につながるので気をつけたい ©iStock.com

乾燥で増強される「男のニオイ」問題

 ここでこの記事の冒頭の記述を思い出してほしい。寒さが本格化してきたこの時期、つまり冬は、男のニオイが増強されるのだ。原因は「乾燥」だ。

「乾いた空気で肌が乾燥すると、肌の潤いを補おうと体が反応して過剰に皮脂が産生されてしまうのです。結果として余分な皮脂が酸化してニオイを発することになる。だからこそ、冬場は“保湿”が重要になってくるのです」

 特にお風呂から出たときは、保湿クリームを使って肌の潤いを保つ努力はすべきだ。というより、ここにひと手間かけるか否かが、「不快なニオイを放つおじさん」になるかならないかを左右する重大な局面なのだ。

汗をかく夏場だけなく、乾燥する冬場にもニオイ問題はやってくる ©iStock.com

女性の加齢臭問題は?

 ちなみに木村医師によると、女性も更年期を迎えるとエストロゲン(女性ホルモン)が低下し、相対的にアンドロゲン(男性ホルモン)が優位になることで汗や皮脂が増え、加齢臭に似たニオイを発することもなくはないとのこと。ただ、そうは言っても男性のニオイと比べると非常に小さく、あまり研究の対象にもなっていないとか。

 そんなわけで、世のお父さん方に呼びかけます。

 せっかく家にいる時間が増えたことだし、少し自分の体に目を向けて、自分のニオイに鼻を向けて、ケアを試みてはいかがでしょう。いずれコロナ禍が収束してマスクをしなくていい社会に戻った時、周囲のご婦人方の見る目が少し変わるかもしれませんよ。

 ああ、結局コロナ禍に絡めてしまった……。

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