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ツイッター社長に聞いてみよう

リクルートの営業マン、起業家、外資系企業の代表取締役…「経験者」が実感を込めて語る“起業に向いていない人”のたったひとつの特徴

リクルートの営業マン、起業家、外資系企業の代表取締役…「経験者」が実感を込めて語る“起業に向いていない人”のたったひとつの特徴

ツイッター社長に30の質問 #17

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 たとえば、「昔の町家のように、近所の人が子どもを預かって育てるべきではないか」と考えている人たちと「ベビーシッターを雇いたいけど、そんなに金銭的な余裕がない」という人たちがいるとします。この両者をマッチングさせる。そのための検索サービスを立ち上げたかったんです。

 このアイデアを思いついたのは、リクルートでの経験があったからです。リクルートの運営する「住宅情報」や「エイビーロード」は、業界の専門誌ですよね。すると、そのメディアを読んでいる方々は、そのテーマについての「コミュニティ」になっていきます。それもあって当時から「コミュニティ」と「情報」にはすごく親和性があると感じていました。そこで、ぼくはコミュニティに関するビジネスをやりたいなと思ったんです。

 知り合いの弁護士に共働き夫婦のアイデアを話すと、「こんな連中がいるから」といって、のちに「クリエイティブ・リンク」で一緒になるメンバーを紹介してくれました。ぼくの事業計画を伝えたところ、興味を持ってくれたのだそうです。それは「コミュニティを軸にインターネットで事業機会を作り出したい」という共通の思いがあったからだと思います。

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 彼らはすでに「レストランガイド」の構想を持っていて、「いっそのこと一緒にやろう」ということになりました。それが「クリエイティブ・リンク」のスタートでした。

「共働き夫婦の支援」というアイデアと「レストランガイド」のアイデアとは少し距離がありました。そこでお互いに「コミュニティ」に対する考え方を議論しました。

 それで結局、「最初はレストランから始めて、マイクロコミュニティをたくさん作って、最終的にコミュニティのポータルサービスにしていくといいよね」ということになったわけです。

「久保田」片手に交渉に臨んだ日

 余談ですが、「クリエイティブ・リンク」のメンバーは東京にいたのですが、「レストランガイド」のベースになるソフトウェアというか、コミュニティを形成するための仕組みは、アメリカにありました。

 そこで起業後すぐに渡米して、シリコンバレーの小さなエンジニアの会社に行って、ソースコードやソフトの買い取りを交渉しました。交渉の際には、日本酒の「久保田」を一本持って行きました。今振り返ると、なにを考えているんだと思うのですが……。でも、最終的には10万円で必要なソフトとソースコードを買い取ることができました。「レストランガイド」ができたのは、「久保田」があったおかげかもしれません(笑)。

構成=竹村俊助 @tshun423
写真=杉山秀樹/文藝春秋

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