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幹部学校に招かれるのは“保守系”ばかり?

河野 いや、その報道は知りませんでした。

――海自の幹部学校は、櫻井よしこさんなどが頻繁に招かれて、講演しています。そうした人選が保守系に偏りすぎではないかという声もあります。それについてはどうお考えですか。

河野 私が学生の頃は、政党の話を聞くという授業があって、そのときは共産党とか、社会党の人も来たと思いますよ。

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――そうですか。今はそんなことはないですよね。

河野 今はわかりませんが、場合によっては向こうが断わることもあるのかもしれません。ただ、われわれも自衛官として育ってきているので、端的に言えば保守系の人が多いんです。そう考えると、幹部学校ではちょっと違った意見を聞かせたほうがいいんじゃないか、というベクトルは働くはずなんですけどね。そこで意見を交わす訓練をしたほうがいいと、私は思います。

 

菅政権の安全保障政策

――次に、今の政治状況についても伺いたいです。まず、国内では菅政権に変わりましたが、安全保障の面では安倍政権を継承していると見てらっしゃいますか。

河野 ご本人もそう仰っていますよね。だから、そこはそのように見るべきじゃないかと思います。

――ご覧になっていて、大きく変わった点などはないでしょうか。

河野 違う人間ですから、おそらくスタイルは違うと思います。ただ、今の政軍関係はある種、安倍総理のパーソナリティによってこういう形になっているので、それを「安倍総理だったから」とはせずに、国家のシステムとしてちゃんと定着させてほしいなと思います。

――一方、アメリカでは大統領がバイデンさんに代わります。副大統領時代のバイデンさんとは、2015年にお会いされていますよね。

河野 会ってますよ。

 

トラブル続きだったバイデン氏との初会合

――バイデンさんはどういう方なんでしょうか。

河野 2015年の7月かな。アメリカへ公式訪問に行ったときに、バイデン副大統領とお会いすることになりまして。そのとき私は、ノースカロライナの海兵隊基地を見学していたんですよ。そこから軍用機でワシントンに行って、バイデンさんとお会いするという、こういう手筈でした。ところがこの飛行機が故障しちゃって、「申し訳ない、予備機を呼び寄せるから待ってくれ」と言われて。相手は副大統領ですからね、こうして時間がずれてしまっては、残念ながらもうキャンセルだと思ったんですよ。

 すると、いやいや、待ってるから来いというわけです。それでワシントンから予備機が来て、それに乗ってアンドリュース(ワシントンに最も近い空軍基地)に着きました。ところが、今度はオバマ大統領が国内出張をする時間にバッタリ重なってしまって。オバマ大統領の飛行機が離陸するまでは、セキュリティの関係で1人たりとも機外に出ちゃいかんと言われたんです。これはもう、さすがにダメだろうと思ったんですが、バイデンさんはそれでもまだ待ってると言うんですよ。