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産経新聞はここが面白い

――新聞は各紙ひととおり目を通されていると本に書かれていますが、いわゆる五大紙はすべて読んでいらっしゃいますか?

河野 ええ。海幕長、統幕長になってからは、ほとんど全紙、机に置いてくれていたんです。それはじっくり読みましたね。ただ、辞めたらもう、そんなことはないので。

――ご自宅だと新聞はどちらを。

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河野 産経です(笑)。

 

――それは、共感できるところが多いからですか?

河野 共感できるというか……産経って下に見られているところもあるんですけど、けっこう特集記事なんて面白いんですよ。「蒋介石秘録」とか、割合掘り下げていていいのがあると私は思うんですけどね。

「文藝春秋」「WiLL」「Voice」……

――雑誌もさまざまなものを読むようにされていると伺いましたが、定期的に読まれている雑誌はありますか。

河野 「文藝春秋」は毎月、辞めてからも読んでます。やっぱり週刊誌よりも月刊誌ですね。話題になった週刊誌はもちろん見ますが。

――月刊誌ですと、「文藝春秋」以外では?

 

河野 「WiLL」とか「Voice」とか。月刊誌はもうほとんど保守系ですもんね。週刊誌だって、「朝日ジャーナル」はないですもんね。

――そうですね。

河野 私の学生の頃なんて、「朝日ジャーナル」を片手に抱えたら女の子にモテる、という時代でした。インテリとみなされて(笑)。

「安倍晋三さんかな。よく勉強されてますよ」

――今ではあり得ないですね。「WiLL」などの月刊誌では、河野さんも誌面によく登場されています。色んな方と対談されていますが、印象的な、信頼できる論客はいましたか。

河野 昔は、岡崎久彦さんとか。ああいう方には教えもいただきました。あと、先般亡くなられた岡本行夫さんとも親しかったんですよ。ただ、岡本さんとは保守観でちょっと違った。どっちかというと昭和20年で線を引かれるほうかと。そこは違ったけれども、とくに9・11後は同志みたいなものだったですからね。

――戦前の全否定はよくなくて、もう少し連続して捉えなきゃいけない……。どういった方の本を読んで、そういう歴史観をお持ちになられたのでしょうか。

河野 それはもう総合的に。

 

――そうすると、現在では「この人」と強く信頼している論客はいないということでしょうか。

河野 安倍晋三さんかな。よく勉強されてますよ。

――なるほど。ちなみに、対談された論客のなかに、吉木誉絵さんがいますね。彼女は、海上自衛隊幹部学校の客員研究員を2年ほどしています。それに関して、内局や防衛大学校から「この人は適任なのか。本当に専門性があるのか」という意見が出たという報道もありましたが、それはご存知でしたか。