シドニー五輪が開催され、携帯電話の普及が進むなどITバブルに沸いていた2000年。日本の芸能界は、プロデューサー・つんく♂が仕掛けたアイドルグループ・モーニング娘。が席捲していた。(常田裕/清談社)(前後編の前編/後編を読む)

衝撃の第4期“モーニング娘。” 辻と加護は当時12歳

 モーニング娘。はもともとオーディションバラエティー番組「ASAYAN」から生まれた企画ユニットで、前年に後藤真希が加わって『LOVEマシーン』が大ヒットしていた。そこに第4期メンバーとして加入したのが石川梨華、吉澤ひとみ、辻希美、加護亜依の4人だ。

 石川は翌年の『ザ☆ピ~ス!』で初センターに抜擢されるなど中心メンバーに成長していくのだが、奔放なキャラクターで後にトラブルメーカーとなるのが辻と加護の二人。

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辻希美(左)、加護亜依(右) ©️getty/©️時事通信社

「合格した時の二人はまだ12歳でしたからね。オーディションは一種のリアリティーショーだったし、熱狂的なファンからのプレッシャーを受け止めるにはあまりに幼かった。事務所のフォローも十分ではなかったんでしょう」(芸能ジャーナリスト・渡邉雄二氏)

 辻と加護は矢口真里と組んだミニモニや、ユニット・W(ダブルユー)なども人気となったが、わずか4年でモー娘。を卒業。その後の芸能活動は波乱万丈だった。

 加護は17歳の時に喫煙スキャンダルを起こして謹慎。さらに1年後には再度の喫煙写真と熱愛を報じられ、一時は芸能活動停止の事態に。その後も不倫による慰謝料請求裁判、自殺未遂、DV騒動、離婚などを経て16年には再婚を発表。現在は2児の母親だ。

 一方の辻は、19歳の時に突然、俳優・杉浦太陽との結婚と妊娠を発表して世間を驚かせた。ブログやSNSでの「ギャルママ」ぶりは何度も炎上案件となったが、4人の子供を育てる現在は、「ママタレ」として高い人気を集めている。

 紆余曲折があった二人は現在まだ32歳(加護)と33歳(辻)。昨年には13年ぶりにユニット・Wを復活させたことも話題となった。ちなみに同期の吉澤ひとみは18年に起こした飲酒ひき逃げ事件で芸能界を引退している。