「エロかっこいい」でブレイクした倖田來未
90年代後半から台頭していたのが実力派の女性シンガーたち。衝撃的に登場した宇多田ヒカルを筆頭に、浜崎あゆみ、椎名林檎、aiko、倉木麻衣らが次々とスターダムに駆け上がっていった。
そんな音楽界にエイベックスからデビューしたのが倖田來未。アーティスト指向の時代らしく、倖田は日本より先にアメリカでCDをリリースするなど攻めたプロモーションを展開したが、なかなか注目されず下積みの時代を過ごすことになる。
倖田が『キューティーハニー』でブレイクしたのは04年のこと。ダイエットにも成功し、「エロかっこいい」なる突き抜けたスタイルがウケたわけだが、本人はもともとバラード志向で、当時は「自分の思い描いていた理想像とは違ったんですが、期待に応えたいっていう一心でやり続けた」のだという。
ラジオ番組内での失言騒動や結婚、出産を経た現在も一線で活躍を続けている。今年はコロナ禍によって多くのライブが中止になる中、いち早く20周年記念ツアーの開催を決断。9月からのアリーナツアー4都市8公演を無事にやり遂げたばかりだ。
“声優からアーティストへ”の道を切り開いた、水樹奈々
「声優アーティスト」の第一人者である水樹奈々が歌手デビューを果たしたのもこの年だが、歌手デビューまでの道のりは険しかった。自叙伝『深愛』によれば、子供の頃から演歌歌手を目指していた水樹は芸能事務所にスカウトされ15歳で上京。堀越高等学校芸能活動コースに入学し、月3万円の仕送りという極貧生活に耐えながら、同時に代々木アニメーション学院声優タレント科にも通ってデビューを目指していた。
ところが在学中に所属事務所が破産。堀越の芸能コースは事務所所属が条件のため退学の危機に陥り、この時に手を差し伸べてくれたのがボイストレーナーの「先生」だった。しかし、水樹はこの恩師から、5年半にわたってセクハラを受け続けたという。
高校卒業直前の97年に、一足早くゲームの声優としての仕事を始めていたが、念願の歌手としてのデビューは2000年12月。この半年後にようやくセクハラ「先生」との関係を解消できたという。
その後は声優としても歌手としても着実にキャリアを積み、09年には声優初となる西武ドームでのコンサートを開催。同年末にはNHK紅白歌合戦の初出場を果たすなど、数々の「声優初」となる足跡を残し続けてきた。
「以前から声優人気は根強いものがありましたが、2000年代以降は歌手、ラジオ、ゲームなど活躍の場が広がりアイドル化、アーティスト化が加速しました。その過程で水樹が果たした役割は絶大です。今や声優という枠を超えて日本を代表するアーティストの一人といえるでしょう」(前出・渡邉氏)
40歳となった今年は、7月に結婚を発表。公私共に充実しているようだ。
【後編を読む】長澤まさみ、綾瀬はるか、結婚発表したあの女優も…「00年デビュー組」を振り返る
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