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入居初日からヤバい現象が……

 番組の企画は「若手芸人がいわくつきの物件に住んで毎日部屋を撮影し、幽霊が映ったらギャラが貰える」というものだった。僕は初日から白い発光体を撮影するのに成功し、以降様々な不思議な現象を体験して番組の企画は盛り上がった。

 中でも印象深かったのは、後輩芸人の華井二等兵を部屋に呼んだ時に、6階の廊下を歩く華井の後ろに、ニット帽を被った作業着姿の若い男がピタ~ッとくっついていたのが見えたことだ。

 後で華井に確認すると、その時廊下には誰もいなかったし、足音も聞こえていなかったという。僕らはマンションの雰囲気を確かめるために階段を使って6階まで上ってきたので、エレベーターも1階のランプがついたままだった。ということは、あの男は住人ではない。突然現れたのだ……。

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最初に住んだ事故物件。常にカメラを回しながら生活した

10年前に住んでいた先輩芸人

 実はこの物件、僕よりも前に奇妙な体験をした人物がいる。

 漫才コンビ「チャド・マレーン」のメンバーであるティ・カトウさんは、僕が住む10年前にこのマンションの同じフロアに住んでいた。エレベーターを降りてすぐにある603号室だ。当時の家賃は6万円で、それでも立地と広さを考えるとお得な物件だったという。

 しかし、入居してすぐに異変があった。インターホンが鳴り止まないのだ。そして、ドアを開けても誰もいない――。あまりにもその現象が続くので、カトウさんは傾向と対策を練ることにした。

「インターホンが鳴った瞬間にドアを開ければ犯人がわかるはずだ。それでも誰も居なければ、幽霊かもしれない」

 カトウさんはインターホンがよく鳴りがちな時間帯を分析し、玄関の前で待ち構えた。そして、その瞬間が訪れた。