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上沼恵美子・松本人志と“因縁”のある2組

 例えば、マヂカルラブリーには審査員の上沼恵美子との因縁がある。彼らは2017年大会で初めて決勝に進んだが、空気をつかめず最下位に沈んだ。上沼には「がんばってるのはわかるけど、好みじゃない」「よう決勝残ったな」と酷評された。

 一方、ニューヨークには審査員の松本人志との因縁がある。2019年大会で決勝に進んだ彼らは、1番手でネタを披露したが、結果は最下位だった。松本には特に低い点数をつけられた上に「ツッコミの人が笑いながら楽しんでる感じがそんなに好きじゃない」と厳しい言葉を浴びせられた。

ニューヨークの嶋佐和也(左)と屋敷裕政 ©️山元茂樹/文藝春秋

 彼らは再び決勝に上がり、審査員の前でどんなネタを見せるのか。そして上沼や松本はどんなコメントを残すのか。この点は1つの見どころだ。

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錦鯉と東京ホテイソンの「年の差対決」

 また、錦鯉と東京ホテイソンの「年の差対決」にも注目だ。錦鯉は、49歳の長谷川雅紀と42歳の渡辺隆のコンビである。芸歴自体は長いが、コンビ歴では出場資格の結成15年以内を満たしているため、エントリーすることができた。

 東京ホテイソンは25歳のたけると26歳のショーゴのフレッシュなコンビだ。錦鯉の長谷川はたけるの父親と同じ年齢だという。親子ほど年齢の離れた2人が『M-1』の決勝で相まみえるのはもちろん初めてのことだ。

東京ホテイソンのたける(左)とショーゴ ©山元茂樹/文藝春秋

 錦鯉は、業界内ではその実力を評価されながらも、なかなかチャンスをつかめずにいた苦労人である。ようやくつかんだ決勝の舞台でどこまで健闘できるのだろうか。

 一方の東京ホテイソンは、年齢や芸歴では「第七世代」と言われるところに属している。だが、一般的に「第七世代」と呼ばれるのは、テレビで売れっ子になった数組のみに限られている。その世代の芸人は実際には日本中に何百組も何千組も存在するのだが、スポットライトを浴びているのはごくわずかだ。東京ホテイソンには「遅れてきた第七世代」として意地を見せてもらいたい。

 さらに、ファイナリストの中で特に注目されているのが、即席ユニットのおいでやすこがである。おいでやすこがは「おいでやす小田」と「こがけん」という2人のピン芸人によるユニットコンビだ。