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「好きだった地毛が、『清純』の象徴に」アイドル・和田彩花が抱えていた“違和感”

「好きだった地毛が、『清純』の象徴に」アイドル・和田彩花が抱えていた“違和感”

2020/12/25
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 お互いの違いを認め合い、十人十色の多様な個性を打ち出すアイドルグループとして女性人気が高いアンジュルム。2019年、初期からグループを支えたリーダー・和田彩花さんが卒業。その後のソロアイドル活動は注目を集めている。現役アイドルが語るアイドル論。

和田彩花

◆ ◆ ◆

「アイドル」って言葉が示すそれは何であろうか。

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 私は10年ほど活動したアイドルグループを卒業した今もアイドルを名乗り、文化を伝え、表現活動に邁進する日々であるけど、「アイドル」が何であるかはわからない。今回は、アイドル論を自由にというテーマを事前にいただいたにもかかわらず、「アイドル」について何も語れない私を自覚している。

極度の恥ずかしがりやだった小学生時代。ダンスのレッスンは嫌々だった

全文は発売中の「週刊文春WOMAN」2021 創刊2周年記念号に掲載

 私は、1994年8月1日に群馬県で生まれた。母は愛情深く、心配性な人、父は自由人だと認識している。自然に囲まれて育ったので、川に入って、木に登って遊んだ。それと、ザリガニの釣り方と少しやみつきになる鯉の餌の匂いも知った。他には、外を自由に歩く猫2匹と家猫1匹、屋根に登るのが好きな大型犬と部屋を飛び回る小鳥を飼っていた。時々、鶏にも追いかけられた。

 小学生の頃、算数の宿題は計算機を使うと便利だと父に教わった。学校帰り、川にランドセルを落としたが、思ったより怒られなかった。下着的なものが嫌いだったので、できる限り着用しないでいた。サンタクロースは中学1年の12月24日まで信じていた。大人になることが恥ずかしかったし、大人になるはずないと思い込んでいた。

 小学校低学年から習っていたダンスの影響で、極度の恥ずかしがりやを克服しつつあった。また、知らぬ間に、親は東京へレッスンに行く環境を用意してくれていた。だけど、やっぱり恥ずかしさが強く、レッスンは嫌々ながらであった。

 小学校4年生になると、親の勧めと習い事の延長線上でハロー!プロジェクトの研修生となった。ハロプロは好きだったけど、アイドルになりたいという夢は特別抱いていなかった。中学2、3年になるとグループを組み、活動量が増えた。そのときも夢はなかったけど、やらなければいけないこととなりつつあったので頑張った。