「お答えは差し控える」……書面でも?
最近思わず笑ってしまった記事がある。
『首相 書面でも「控える」』(朝日新聞12月9日)
何のことかと言えば12月4日におこなわれた首相会見の「その後」のこと。会見で指名されなかった報道各社などの質問書を募ったのだ。なんだちゃんと対応してる?
しかし安倍晋三前首相の「桜を見る会」前夜祭の費用補填問題にはここでも、「お答えは差し控える」。
わざわざ質問書を募っておいて「お答えは差し控える」。無敵だ。何のコントだ。
もっと熟練した使い方もある。言葉の頭に「捜査中なので」「裁判中なので」をつける。
例・捜査中なのでお答えは差し控える
もっともらしい言い方のようになるが、こういう使い手はだいたい捜査や裁判が始まる前から「お答えは差し控える」と言っている。どっちにしろ最初から控えているのだ。無敵だ。
菅氏、10年前のブログでは……
では、菅首相は最初からそんな人だったのか。
今から10年前の2010年の11月21日の菅氏のブログにはこうある。
『責任も能力もない民主党政権の限界』
痛烈!
当時、菅氏が所属する自民党は野党で、菅氏はブログでも民主党の菅政権を舌鋒鋭く追及していた。
このときは民主党の柳田法務大臣が、
「法務大臣は個別事案については答えを差し控える、法と根拠に基づいて適切にやっている、この二つだけ覚えておけば良い。この二つだけ言っておけば国会を乗り切れる」
と地元の会合で発言していたのだ。菅氏はブログで次のように書いた。
「全く不真面目で国民を冒涜する発言をしました」
「このような国会そして国民を愚弄するとんでもない問題発言をしたことは、職務に対する使命感も責任感も全く感じられません。菅総理は即刻罷免するべきです」
その通り!
「答えを差し控える」なんて全く不真面目で国民を冒涜するものです…あ、菅さん10年前にこんなことを…。