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過去から来たもう一人の自分と戦う菅首相

 ここで言う「菅総理は即刻罷免するべきです」って菅直人氏のことだが、今から読むと10年後の「菅総理」つまり自分に刃を飛ばしているようにしか思えない。菅首相の最大の敵は過去の自分かもしれない。

 今後「お答えは差し控える」という菅首相を見たら、菅氏は過去から来たもう一人の自分と戦っている姿を想像したい。なんかカッコよくなってきた。

現総理から厳しい言葉を飛ばされていた当時の菅直人首相 ©️JMPA

 そうそう、年末年始はおウチ時間が長くなる人が多いはずだから野党時代の菅氏のブログをじっくり読んでみるのはどうだろう。ちょっとしたSFでもありホラー気分を味わえる。お手軽な巣ごもりアイテムになるかも。

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 というわけで私にとっての2020年の言葉は「お答えは差し控える」です。

 次点は、

「説明できることとできないことある」

 あ、すいません、これも菅さんの言葉でした。菅さんかなりのヒットメーカーです。

首相になって徹底的に避けてきた「説明」

 NHKの番組に出演した菅首相が日本学術会議の任命除外の問題について司会者から問われると、

「説明できることとできないことがある」

 と語気を強めて言った。この言葉を引き出したのは有馬嘉男キャスターだが、週刊文春12月24日号は「菅官邸を怒らせたNHK有馬キャスターが降板!?」と報じた。来年は「ニュースウオッチ9」のウオッチをみんなでしたら盛り上がりそう。

 こうしてみると「お答えは差し控える」とか「説明できることとできないことがある」とか、首相になって徹底して説明を避けてきたことがわかる。

©️JMPA

 “影の首相”から本当の首相になった菅さんですが、なんでわざわざ目立つ表に出てきたのだろう。不思議です。

週刊文春 2020年 12/24 号 [雑誌]

 

文藝春秋

2020年12月17日 発売