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阿倍野の路地裏に佇む“地元の中華料理屋” 70代店主が作る「フライメン」はビールとの相性抜群だった!

B中華を探す旅――阿倍野「さか市」

2020/12/25
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「去年の暮れね、“町の中華屋さん”いうテレビ番組から連絡があってね。特別版で、大阪であるから、どうなんかないうて。断わったけども。ちょっと話できへんから。苦手なもんやから(笑)。人見知りするもんやから、(取材を受けるのは)今日、初めてだわ」

 もしかして、あの番組か……? そちらを断ったのに親切に応じてくださったとは、非常にありがたい話である。

「でも、もう受けない(笑)」

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「食べログ」に書かれてるんですよ

 なお一枝さんは、ネットでの評判はチェックしているらしい。

「『食べログ』に書かれてるんですよ。みんな、意見を書くのがあるでしょ。『汚いと思う人は来んでいい』『愛想悪い思う人は来んでいい』いうてね。まあ、その通りやなあと(笑)。私の代弁をしてくれてるわって。なに書かれてもいいんですけどね」

「うん、なに書かれてもいいんやけど」と続けた政弘さんとの間には、娘さんが2人いる。「では、このお店は?」と聞くと、「継がんみたい、みんな。ここで終わり(笑)」。

 
 

 この連載を始めてから何度も聞いた『ここで終わり』というフレーズを、また聞くことになってしまった。では後は、どうされるのだろう?

「今後って、あとはやめることやね(笑)。もう74、5やから」

「そんなことおっしゃらず、80代まで続けてくださいよ」と思いながら店をあとにして……から思い出した。あまりに居心地がよかったものだから、“カスタム椅子”の秘密を聞き忘れてしまった。

 

撮影=印南敦史

INFORMATION

さか市​
大阪府大阪市阿倍野区松崎町2-3-33
営業時間 11:30~22:00
定休日 日曜日

ギョウザ 300円
ニラ玉 700円
ブタ天 700円
フライメン 600円
ビンビール大  550円

阿倍野の路地裏に佇む“地元の中華料理屋” 70代店主が作る「フライメン」はビールとの相性抜群だった!

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