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三鷹で45年間続く“普通の中華料理屋” 誠実な店主が「悩みながら作るラーメン」は大満足の味だった!

B中華を探す旅――三鷹「安楽」

2020/08/26

 JR中央線三鷹駅を北口に出て、目の前の中央大通りを直進して数分歩くと、左側に大きな看板が見えてくる。赤い地に白抜きの文字で書かれているのは、「CHINESE RESTAURANT ANRAKU」の文字。

 ただ目立つだけでなく、不思議な安心感を与えてくれるのは、アーチ型をした看板の安定感のせいだろうか? それとも「ANRAKU」という表記のかわいらしさのおかげか?

 

 いずれにしても、三鷹に住んでいた十数年前から、前を通るたびに気になっていた店だった。にもかかわらず、一度も入ったことがなかったのだ。さしたる理由はないのだが、中途半端な状態のまま時が過ぎていったような思いは残っていたので、遅まきながら訪ねてみることにした。

まずは餃子と春巻きを注文!

 ある平日の午後、15時を過ぎたあたりの時間である。

 間口の広さから想像できたとおり、壁も天井も赤く染められた店内は左右に余裕がある。コロナ禍以前から、ソーシャル・ディスタンスが保たれていたという印象だ。厨房は店内奥にあり、そこもまたスペースが広くとられているように見える。

 お昼のピークを過ぎて来客が途絶えていたこともあり、穏やかな空気が流れている。店主らしき白衣の男性は厨房にいるが、まめにホールにも出てくる。そんなこともあってか、どことなく気配りができそうな方に見える。とはいえ基本的に、ホール担当は奥様と思われる女性だ。総じて、うまく連携がとれている。

 

 暑い日だったので、とりあえずはビールを頼んで同行者と乾杯。「とりあえず」のつまみに焼き餃子と、「サイドメニュー」というところに書かれていた春巻き(2本)を注文する。

“いたって普通”な感じがいい

 対角線の向こうには、つけっぱなしのテレビ。厨房からは、調理をする音が聞こえてくる。ゆったりとした、いい雰囲気だ。小皿に入った柿の種をつまみながらキリンラガーを飲んでいると、焼き餃子と春巻きが登場。

 
 

 6個入りの餃子はていねいに包まれており、焼き色も見事。餡の味つけもよく、“いたって普通”な感じがとてもいい。サイドメニューというだけあって春巻きはミニサイズだったが、こちらもアツアツのカリカリ。