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 最新の「iPhone 12」シリーズではこの点が大きく改善され、視野角120°の超広角レンズでも、ナイトモードでの撮影が可能になったほか、画質も格段に向上しました。従来とほぼ同じレンズ構成で、ここまで変わるというのは驚きです。

従来の「iPhone 11 Pro Max」の超広角レンズで撮影した夜景。ナイトモードは適用されず、市街地および街灯で照らされた部分以外は、ほぼ真っ暗になってしまいます
暗いのなら撮影後にレベル補正すればよいのでは? と思いますが、実際にやってみるとディテールが粗く、見られたものではありません
最新の「iPhone 12 Pro Max」で、ナイトモードを使って撮影した超広角写真。広角レンズと同様に明るく写すことができ、かつレベル補正を行ったときのようなノイズもありません

 またPixelシリーズは、今日の夜景モードの流行を作り出した立役者ではあるものの、超広角レンズがそもそも搭載されておらず、狭い画角でしか夜景の撮影が行えませんでした。最新モデルでは視野角107°の超広角レンズが新たに搭載され、広い範囲の夜景撮影が可能になりました。

Pixelはレンズおよび望遠の有無を問わず夜景モードを利用できます。ちなみにPixelの超広角レンズは「0.6倍」、iPhoneのそれは「0.5倍」なので、写る範囲はiPhoneに比べてわずかに狭くなります

iPhoneの「ナイトモード×望遠」の落とし穴

 一方、両製品の違いがはっきりと出るのが、望遠で夜景撮影を行った場合です。

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 まずiPhoneですが、ナイトモード×望遠(2.5倍)で撮影した写真を見ると、意外とディテールが粗く、前述の超広角や広角で撮った写真のクオリティを見たあとでは「あれ?」と首をひねってしまうほどです。広角で撮影した写真を引き伸ばしたものと見比べても違いはほとんどなく、まるでデジタルズームのようです。

「iPhone 12 Pro Max」のナイトモード×望遠(2.5倍)で撮影した写真。広角や超広角のような精細さがまったくありません
試しに中央部分を切り出してみました。無理やり拡大したような、のっぺりとした絵作りです
こちらは広角レンズで撮った写真から切り出した画像。望遠で撮った写真と驚くほどそっくりです。ちなみに最大ズーム(12倍)で撮って切り出した画像ともほぼ同じです

 それもそのはず、実は「iPhone 12 Pro Max」のナイトモードにおける望遠撮影では、望遠レンズは使われず、広角レンズで撮影した夜景を、内部で引き伸ばしているからです。言うなればデジタルズームと同じです。試しに望遠レンズを指で覆ったままナイトモードの望遠撮影を行っても、何ら支障なく撮影が行えてしまいます。