最近のスマホで標準搭載となりつつあるのが、ナイトモード (夜景モード)と呼ばれる機能です。夜景から暗い室内に至るまで、フラッシュを使わずくっきり明るく撮れるこの機能は、近年新たにスマホに追加された機能の中でも、ひときわカルチャーショックを受ける機能といって過言ではありません。

 今回は、こうしたモードを搭載したスマホのうち、Appleの「iPhone」、Googleの「Pixel」それぞれの最新モデルを使い、両者の絵作りの違いや、挙動の細かな差をチェックしてみました。

今回はカメラ機能を重視した両社の最新モデル「iPhone 12 Pro Max」(左上)、「Pixel 4a(5G)」(右下)を使用してテストを行います
「iPhone 12 Pro Max」(左)は超広角/広角/望遠のトリプルレンズを搭載し、5倍の光学ズーム、12倍のデジタルズームに対応。「Pixel 4a(5G)」(右)は超広角/広角の2眼構成で、7倍のデジタルズームに対応
iPhone(左)での名称は「ナイトモード」で、必要な場合は自動的にオンになります。Pixel(右)での名称は「夜景モード」で、「カメラ」「動画」などの撮影モードのひとつとしても選択できます

 今回の撮影の対象となるのは、兵庫県西宮市の、通称「ハルヒ坂」と呼ばれるスポットです。名前の由来は適宜ググっていただくとして、六甲山上から南、西宮市街はもちろん瀬戸内海までもが見渡せる、夜景の撮影には絶好のスポットです。早速チェックしていきましょう。

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日中の「ハルヒ坂」。標高約200mという高台だけに、日中はモヤがかかって市街地が見えないこともしばしば。この坂に隣接する高校は筆者の出身校でもあるのですが、徒歩でこの坂を登り切るだけで一苦労です

比較のためにまず第2世代iPhone SEで撮影

 一般的なカメラで夜景を撮る場合、シャッターの開放時間を長く取るなどのテクニックが必要になります。スマホの場合、こうしたテクニックは用いなくとも、場所がどこか分かるレベルの夜景写真は簡単に撮れますが、暗い部分はつぶれているほか、拡大表示するとノイズだらけだったり、色が拾えていないこともしばしばです。

ナイトモードを搭載しない第2世代iPhone SEで撮影した「ハルヒ坂」。縮小した状態で見るとそこそこマシに撮れているように見えますが…
拡大してみると、夜空はザラザラで、街の照明も色が失われてほぼ単色になってしまっています。手前の木々もほぼ真っ黒に塗りつぶされています

 ナイトモード(夜景モード)を搭載したスマホであれば、AIなどの技術と明るいレンズの組み合わせにより、実際に肉眼で見たのと近い夜景を、そのまま写真として保存できます。むしろ肉眼で見た以上の、日中かと見紛うほどの鮮やかな写真が撮れ、驚かされることもしばしばです。