「文春オンライン」特集班が入手した内部文書
《現在、広告代理店は自社グループの伝々虫と業界最大手の電通の二社に限定している。(中略)今後は二社限定を解除する。ただし、名前は忘れたが、チョントリーの広告を専用にやっている代理店はもちろん使用禁止である》(2019年3月20日「通達」より)
《TVコマーシャルは社長、会長秘書部、広報部の最終判定を受け、その中の一人でも反対がある場合は却下とする。判定の対象は商品の出来栄え、タレントの出自と品性、製作費とする》(2018年12月14日「通達」より)
“正しい出自の持ち主が資格要件”
《(秘書の採用について)現在29歳のZ(※文書では実名)がトップになることから、20代であり、頭脳明晰、強い愛社精神、正しい出自の持ち主が資格要件となる》(2019年3月20日「通達」より)
「通達」では、吉田氏が特定の社員を名指しして人格否定ともいえる激しい批判に及ぶこともあった。その際にも差別的な文脈で韓国語が使われている。
差別的に使われている“ケンチャナヨ精神”
《体に入るもの、顔に触れるものは一度だって不良品を出すことは許されない。こういう研究室の体質は、おそらくX(※文書では実名)をはじめとする部員全体に充満しているいい加減な生まれつきの気質から来ているものと思われる。いわゆる「ケンチャナヨ精神」である。特にXは指導者としては欠陥が多すぎる。リーダーの資格がない。人格形成をやり直せ》(2020年8月12日「通達」より)
ケンチャナヨとは、韓国語で「大丈夫」を意味する言葉だ。吉田氏はX氏の研究室の体質を批判する際にわざわざ「ケンチャナヨ」と韓国語を用いている。
しかしその発言を諫める社員はいないという。A子さんによると「DHCは会長を教祖とする宗教団体のよう」なのだという。
「会長は創業者としてこれまで50年に渡ってDHCを差配してきました。会長が黒と言えば白も黒になります。それに、会長の機嫌を損なった社員がこれまでどんな憂き目にあっているのか、社内中が知っていますから……」(A子さん)