人格についてはみな閉口
「会長の見た目は、普通のおじいちゃんです。もうすぐ傘寿という年相応の外見ですが、眼光は鋭く、常に何かに対して怒っているような険しい顔をしています。大学卒業後は英語が堪能だったことから企業で通訳を務めていたそうですが、商談相手のお偉いさん方を見て『俺もあっち側になる』と一念発起してDHCを起業したそうです」
DHCは吉田氏が一代で築き上げた企業だ。A子さんは「社員の誰もが吉田会長を尊敬のまなざしで見ている」と語るが、その表情は暗い。
「会長の実績を疑う人はいません。しかし人格については、みな閉口しているんです。実は、炎上した文章がサイトに載る数日前、社員に対して同様の内容がすでに開示されていました。みんなで『ひどい文章だね』と話し合いましたが、一方で『会長らしいね』という諦めにも似た感想も出ていました」
実は、吉田氏はこれまでもDHCの公式サイト上やメディアで“ヘイト投稿”を繰り返しているのだ。
ヘイト投稿の数々
《問題なのは日本人として帰化しているのに日本の悪口ばっかり言っていたり、徒党を組んで在日集団を作ろうとしている輩です。いわゆる、似非日本人、なんちゃって日本人です。(中略)似非日本人はいりません。母国に帰っていただきましょう》(2016年2月12日 公式サイト「会長メッセージ」より)
《我々は全くの異人種である韓国人と仲良くすることはあっても、そして多少は移民として受け入れることはあっても、決して大量にこの国に入れてはいけないのです》(2018年4月30日 iRONNA寄稿文より)
吉田氏のヘイト発言は社内でも常態化していたという。
「会長は『通達』と題された社内向けの文書で、これまで何度も差別的な言葉を使っているんです。文書には会長の印が押されています。『通達』は社内に掲示されていて、誰でも見ることができます」
「文春オンライン」特集班はその「通達」を含む内部文書を複数枚入手。そこには確かに差別的な言葉がたびたび用いられている。「ヤケクソくじ」の文書でも言及されていた、タレントなどの「出自」に関する記述もある。