「小学生のうんこ系」はOK、「大人セクシャル系」はNG
ただ、男性アイドルの代名詞でもあるジャニーズは、“下ネタとは距離をとって上手に付き合う”というのがかつてのセオリーだった。特に“紳士的な王子様アイドル”である少年隊の薫陶を受けた世代はその傾向が特に顕著だ。
例えば、KinKi Kidsの場合、小学生並みの「うんこ」的な下ネタはOKだ。むしろコンサート中にハエが飛んできただけで2時間以上ネタにし続けるくらいうんこ話は鉄板だ。しかし「堂本兄弟」(フジテレビ系)などに中年男性のゲストが出演し下ネタを振ると、意味がわからずキョトンとする剛とそれに対してツッコむ光一、というシーンが時折見られる。
SMAPも下ネタを乱用することは決してなかった。忘れられないのは、2014年12月23日に生放送された「さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマスSP」(日本テレビ系)の一場面。
「さんまとSMAPの黒いうわさ」というテーマでビートたけしが登場し、香取慎吾のうわさとして「アレがデカい」と発言したのだ。すると、香取、草彅剛、稲垣吾郎から瞬時に笑顔が消えた。稲垣はスタイリッシュだし、草彅はピュアで、香取は幼い頃からジャニーズしか知らずに育った純粋培養だけに、それぞれ下ネタNGなのだろうか……と、私も一ファンとして冷や冷やしていた。
そんな凍りついた空気をいち早く読んだのか、木村がとっさに立ち上がり、体ごと香取のほうを向いて、大袈裟に爆笑し始めたのだ。続いて中居も立ち上がって爆笑。2人は「ここ、笑うところ」という合図を出しているように見えた。
しかしその後、たけしが「昔、風呂で、ビートきよしのアレがオレの顔に当たって」という汚い下ネタを披露をすると、凍りついていた面々が一斉に大爆笑。草彅にいたっては、声を出して笑っていたほどだ。これはおそらくKinKi Kidsと同じで、同じ下ネタでも「小学生のうんこ系」はOKで、「大人セクシャル系」はNGなのだろう。