《自分の応援するタレントが原案とか信じたくないくらいショックだった。女性をバカにしてる》
《絶句。ミニスカートをじろじろ見たり、胸を揉む演出にドン引き》
《北山くんのことは大好きだけど、このドラマは応援できない。あまりにもひどい》
動画配信サービスdTVのオリジナルドラマ「快感インストール」の第一話が12月3日に無料先行配信されると、こうした阿鼻叫喚の声がネット上に飛び交った。
これは、Kis-My-Ft2の北山宏光が3~4年前から練ってきた構想を原案としたドラマで、「女性の胸に触れると、その女性の快感を自分にインストールできる特殊能力」を持つ主人公・タカ(二階堂高嗣)の恋愛模様を描いた作品だ。情報が解禁されるや、Twitterでは「♯快感インストールの配信中止を求めます」といったハッシュタグが広まる事態になってしまった。
ジャニーズといえば、2020年夏に放送された中島健人・平野紫耀W主演のドラマ「未満警察」(日本テレビ)で、2人が双眼鏡でバスローブ姿の女性をのぞき見する場面が「性犯罪」として問題視されて炎上したばかり。なぜ、ジャニーズのドラマが立て続けに“下ネタ”で炎上したのだろうか。
下ネタ満載でも傑作だった作品と「未満警察」の違い
実は、ジャニーズの下ネタは今に始まったことではない。
ただし、彼らの下ネタとの関わり方には2種類ある。周囲に与えられた役柄・セリフなどを仕事としてこなしているケースと、自ら発信しているケースだ。「未満警察」は前者で、「快感インストール」は後者だろう。そしてこの2作の“炎上の本質”はまったく別のところにある。
まず、「未満警察」の炎上について考えてみよう。
下ネタドラマといえば、まず錦戸亮主演の「ごめんね青春!」(TBS系・2014年)が思い浮かぶ。錦戸が授業中に「これ、誰の~?」といってブラジャーを振り回し、「湘南乃風か!」とツッコまれるシーンが印象的だ。
また、佐藤勝利主演ドラマ「49」(日本テレビ系・2013年)では、父親が交通事故で亡くなり、息子の身体を49日間だけ借りて生きるというストーリーが描かれた。「父親の魂が息子に入っている」ため、佐藤勝利が母親役(つまり、魂にとっては奥さん)の紺野まひるにキスしようとしたり、胸元を見たり、尻を見て欲情したりとかなり衝撃的だった。
そして、ジャニーズが出演する下ネタドラマの金字塔といえば、二宮和也主演の「Stand Up!!」(TBS系・2003年)だろう。「童貞卒業」を目標とする高校生男子を描いたドラマで、「DB4=童貞ボーイズ4人組」を演じていたのは、二宮のほか、山下智久、成宮寛貴、小栗旬という奇跡のような豪華キャストだ。
この3作は全編に亘って下ネタ満載の内容だったが、いま観ても不快感がないどころかグッとくる傑作だ。これらの作品と「未満警察」との違いはどこにあるのか。