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一流クリエイターの「ジャニーズ離れ」

 時代の変化は当然あるだろう。ジェンダー観は日進月歩でアップデートされているし、SNSの隆盛も影響しているだろう。しかし大きな原因となっているのは、「脚本にも相当口出しする」といった話をドラマ関係者からよく聞くジャニーズ事務所の体質が原因になっているのではないかと思えてならない。

 これまでジャニーズが出演するドラマには第一線のクリエイターが関わってきた。「ごめんね青春!」は宮藤官九郎脚本、「49」は野島伸司脚本、「Stand Up!!」は堤幸彦演出だ。

 彼らは「下ネタ」のような、一歩間違えると顰蹙を買うような危険な題材を絶妙なバランス感覚で扱っている。

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 しかしいま、こうした作り手がジャニーズドラマに関わることは少ない。

 かつてはジャニーズ事務所との骨の折れるやりとりをしても、十分おつりがくるほどに「ジャニーズ主演のドラマ」は数字が見込めた。特に90年代ドラマでは、木村拓哉、堂本剛、長瀬智也など、作り手が創作意欲を掻き立てられ、主演に起用したがる役者がいたが、今は事務所との様々な折衝を飲み込んでも、なお採算が合うような結果が出せるジャニーズは数少ない。

木村拓哉 ©文藝春秋

 したがって、すでにクリエイターと信頼関係を築いている木村拓哉や長瀬智也らを除くと、第一線で活躍している旬の脚本家たちがジャニーズのドラマに携わるケースは確実に少なくなっている。

「未満警察」の炎上には、そうした背景が透けて見えてしまうのだ。

下半身を風呂桶で隠して踊る「おけダンス」

 その一方で「快感インストール」の炎上の根はまた別のところにある。原案を考えたという北山個人のジェンダーリテラシーが未熟だったというのもあるだろうが、そんな単純な話ではない。それよりも根深い原因となっているのが、ジャニーズが脈々と受け継いできた「下ネタサービス」の歴史だ。

「快感インストール」のワンシーン(番組公式サイトより)

 そもそもジャニーズには、1969年の初演から脈々と受け継がれてきたミュージカル「少年たち」シリーズにおいて、ほぼ全裸で下半身を風呂桶で隠して踊る「おけダンス」を見どころにするなど、積極的に下ネタを取り入れてきた。

 ジャニーズのコンサートではデビュー組はもちろんとして、時折、まだ10代のあどけなさが残るJr.の子などが腰振りをし、ファンが盛り上がるケースが多々ある。ドームクラスでコンサートを行うグループの人気メンバーなどは、腰振りの股間がスクリーンに大写しにされ、それに対して黄色い歓声が起こることもある。子持ちの自分などは「これを見たら親御さんはどう思うのだろうか」と不安になってしまうほどにあからさまな演出だ。