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一度は事務所を辞めて海外のべーカリーで「パンを焼いていた」24歳元アイドルが活動再開で最も苦労したこと

元さくら学院武藤彩未さんインタビュー#2――アイドル戦国時代を振り返る

2021/01/09

また日本で音楽をやりたい…活動再開後の「カベ」

――2年以上の留学期間を経て、また日本で音楽をやりたい気持ちになって。

武藤 そうですね。日本に戻ってからは、身内以外からのサポートを受けずに自分ひとりで活動を始めたんです。ライブハウスに電話して「〇月〇日に借りたいんですけど」と交渉したり、物販は友達に手伝ってもらって。海外留学で身についた行動力の賜物だと思ってます。

――やるならひとりでやろうと。

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武藤 日本に戻ってすぐに新しい事務所が決まるわけではないけど、それまで表舞台に出ないんじゃなくて、待っているファンの方たちに会いたいという気持ちが先に立って。じゃあ、しばらく自分ひとりでやってみようとなったんです。あの期間にライブを開催することがどれだけ大変なのか身に染みて分かりました。

――何が一番大変でしたか?

武藤 リアルな話をすると、お金の計算が大変でした(笑)。生バンドにこだわっていたので、知り合い伝手にメンバーを集めたら、自分に入る金額はわずかで。それでもやりたかったんです。

――個人でライブハウスをブッキングするのも大変だったと思います。

 

武藤 キャパと思い入れを考えてライブハウスを選んで連絡したんです。「事務所を通してください」と断られるところもあったけど、めげずにいろんなところに電話して。duo MUSIC EXCHANGE、Mt.RAINIER HALL、WALL&WALLはひとりでやらせていただいて、ありがたいなと思いました。

――自分でやってみた手応えはどうでした?

武藤 いままで応援してくれた方たちが温かく受け入れてくれたことがすごく大きくて。好きなことをやらせてもらいました。2年以上離れていてもライブに来てくれたファンのみなさんには本当に感謝してます。

2年ぶりの日本のアイドル界「解散したグループが多かったんだな」

――2年ぶりに戻った日本のアイドル界の状況に感じることはありましたか?

武藤 解散したグループが多かったんだなと思って。私としては「みんなソロ歌手になって、一緒に頑張ろう!」という気持ちです(笑)。