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1年間で220泊した私が選んだ「本当によかったホテル&旅館」50選(2020年9月~12月編)

2021/01/11

genre : エンタメ, , 娯楽

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■09月17日(木)THE BASICS FUKUOKA(福岡市博多区)

https://www.thebasics.jp/

 

 従前のハイアットリージェンシー福岡からリブランドしたホテル。ホテルを象徴するのが約5000冊の書物を収納したロビーライブラリーだ。高さ約42mの吹き抜けにそびえる12本の円柱を利用し、高さ約8mの書架6本が設置された。収められた書物は客室やロビーやレストランなどで自由に読書ができる。

 

 客室は全20タイプ238室で、それぞれに「Chapter チャプター(章)」「Episode エピソード(挿話)」「Story ストーリー(物語)」とロビーライブラリーにちなんだ名称が付けられている。また、1階フロントロビーには「Episode」または「Story」の宿泊ゲスト専用ラウンジが設けられた。

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■09月22日(火)箱根・翠松園(神奈川県箱根町)

https://www.hakonesuishoen.jp/

 

 評論家になるずっと前からリピートしていた箱根・翠松園へ久々の訪問。奥行き感に癒やされる広大な敷地には、お風呂帰りに客室へ戻るべく階段を降りていくとすぅ~と秋風が吹き抜ける。ホテル・旅館ステイの悦楽の瞬間は、偶然が重なりあって突如訪れる。

 

 翠松園のディナーはとっておきの時間だ。かつて三井財閥の別荘として建てられた登録有形文化財である三井翠松園が、いまは料亭として建築の美とオーラを受け継ぎ伝え続けている。記憶は常に消えいく運命にあるとはいえ、かれこれ10年以上前に出向いた夕食がいまでも鮮明に残っているのは、特別な空間に身を置いた時間に食と美が融合したからだろうかと思いを馳せる。

■09月24日(木)大江戸温泉物語 ホテル鬼怒川御苑(栃木県日光市)

https://kinugawa-gyoen.ooedoonsen.jp/

 

 渓谷に沿うような鬼怒川温泉の街並み、温泉宿から望む絶景は何よりの魅力だ。大江戸温泉物語の人気施設も鬼怒川の清流を望む宿として人気。ホテルは「淡雪の館」「月光の館」「百花の館」という3棟で構成される。迷わないように各館にはイメージカラーを設定。淡雪の館は“紫”、月光の館は“黄”、百花の館は“桃”とわかりやすい。温泉もそれぞれ特徴的だ。

 

 ディナーは常時約80種のメニューが並ぶバイキング。ライブキッチンでは揚げたてサクサクの天ぷら、焼きたてジューシーな本格宇都宮餃子にはじまり、握りたてお寿司や刺身も好きなだけという贅沢さ。また、地元名産の日光湯波をはじめとした郷土料理もふんだんに提供されている。