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「上沼恵美子=鬼舞辻無惨」説…マヂカルラブリーが受け入れられた秘密は『鬼滅』と『半沢』にアリ?

2021/01/10
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 2021年も年が明け、新年は地上波でも例年通り多くのお笑い番組が放送された。そんな中、多く姿を見せてくれたのが『M-1グランプリ』王者・マヂカルラブリーの2人だ。

放送終了直後から「これは漫才なのか」という議論が

 昨年12月20日、漫才日本一を決めるM-1で、見事マヂカルラブリーは優勝し、16代目チャンピオンに決定した。強烈なキャラの野田クリスタルがおかしな動きでボケ続けるのを村上が戸惑いながらツッコむ、一度見たら忘れられないストロングスタイル。

 正統派のしゃべくり漫才とは違うコント漫才の中でも特に異質の漫才で、M-1の最終決戦で披露したネタは、野田がほとんどの時間、ステージ上を暴れるという前代未聞の展開。放送が終了した直後から、「これは漫才なのか」という議論が、芸能人・一般人の垣根を越えて白熱した。

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マヂカルラブリー最終決戦 ©M-1グランプリ事務局

 話題性を爆発させて、議論を起こすのも芸人には必要な資質であろう。結果的に年末年始の番組出演数は野田が11本、村上が9本としっかり人気芸人の仲間入りを果たしている。

 ただ、ここでふと考える。これまで賞レースで活躍してもブレイクできなかった芸人は数多くいた。ファンの話題にすら上がらなかったコンビも多くいた。M-1優勝芸人の中でも賛否両論を受けるマヂカルラブリーが、いまの日本に求められた理由は何だったのだろうか?

村上がピン芸人の野田を出待ちし、コンビ結成を志願

 マヂカルラブリーは2007年の結成のお笑いコンビ。ボケの野田クリスタルと、ツッコミの村上の2人組だ。もともとピンで活動していた野田を村上が劇場前で出待ちし、コンビ結成を志願したという異色のコンビである。

 野田クリスタルは1986年神奈川県生まれ。芸歴は17年、同期に尾形貴弘(パンサー)やジャルジャルがいる。堂本剛を彷彿とさせる端正な顔立ちに、漫才中の激しい動きにも耐えられる強靭な肉体を持つ野田。鍛え抜かれた美しい筋肉は、雑誌『Tarzan』でも紹介された。

 野田は、昨年3月にピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり』でも優勝している。ネタの内容は、自身でプログラミングした自作ゲームで客を笑わすという新時代の笑いを感じさせるもの。ステージ上で暴れまわる破天荒なイメージと、プログラミングでゲームを作る器用で繊細な面を併せ持つ。