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2020年8月・9月は122人ずつ コロナ禍で若者の自殺者数が急増していた

再度の「緊急事態宣言」でメンタルヘルスの悪化が懸念される

2021/01/14

東日本大震災以来の100人超えとなった「学生・生徒等」の自殺者

 若年層は、年度が終わる3月や、夏休みが明ける9月に自殺が多いことが知られている。厚生労働省の「地域における自殺の基礎資料」によると、「学生・生徒等」の自殺者数は2020年8月と9月にいずれも122人だった。月別で100人を超えたのは、東日本大震災のあった2011年5月の101人以来となる。

月別自殺者推移(「学生・生徒等」総数)

「学生・生徒等」で顕著なのは中高生だ。2010年からデータを見てみると、中学生の月別自殺者数は2020年8月がもっとも多く16人。過去10年間の8月分を比べても、2013年8月と同数でもっとも多い。このうち、女子中学生の8人も、2013年8月と並んで最多。前年同月比で4倍だ。高校生の場合、8月は47人。過去10年間で月別では最多。女子高校生は24人で過去10年の月別で唯一、20人を超えた。前年同月比では7倍になっている。

月別自殺者推移(中学生)
月別自殺者推移(高校生)

 大学生も2020年8月は自殺者が多く、46人。東日本大地震のあった2011年3月と同数。過去10年間で8月の自殺者が40人を超えた年はなく、やはり最多だった。ただ、大学生での最多は2020年9月で55人だ。女子大学生の自殺者数もやはり同様で、8月の自殺者が12人。8月に10人を超えたのは、東日本大震災があった2011年以来になっている。そして、9月には大学生の総数としては55人。単月で50人を超えたのは2011年の4月と5月、9月、2012年の2月、3月だけだ。

月別自殺者推移(大学生)

 夏休み明けに子どもたちの自殺が増える現象は、いわゆる「9月1日問題」と呼ばれている。2020年は夏休みのスケジュールが変則的で、8月中に夏休みが開けた地域が多い。夏休みが前倒しになったことで、「9月1日問題」も前倒しになったのではないか、という見方もある。警察庁の統計でも、2020年8月は、20歳未満の自殺についての「原因・動機」でもっとも多かったのは「学校問題」だ。