他国を圧倒する“人口あたりの病床数”
まずは日本の病床の数だが、OECDのデータによると人口1000人あたりの病床数は13.0と他の先進国を圧倒している。
https://data.oecd.org/healtheqt/hospital-beds.htm
もっとも上記の数には療養病床など、慢性期医療に利用され、新型コロナへ対応するのが困難な病床も含まれている。
では、急性期医療向けの病床はどうか。これも以下のデータが示すように、人口1000人あたり7.8と1位なのだ。
http://www.oecd.org/coronavirus/en/data-insights/hospital-beds-acute-care
また、ICU(集中治療室)など、より重症の患者を診る病床の数も厚生労働省の資料によると、決して少なくない。
https://www.mhlw.go.jp/content/000664798.pdf
MRIも人口あたりの数は世界一。
https://data.oecd.org/healtheqt/magnetic-resonance-imaging-mri-units.htm
CTもやはり人口あたりの数は世界一。
https://data.oecd.org/healtheqt/computed-tomography-ct-scanners.htm#indicator-chart
医師数は確かに少ないが……
とはいえベッドや機材があればいいというものではない。医師や看護師がいないと医療はできないからだ。その点もOECDのデータで確認してみよう。
まずは医師数だが、人口1000人あたり2.5人。これはOECDの下位に位置する。
https://data.oecd.org/healthres/doctors.htm#indicator-chart
一方で看護師の数は人口1000人あたり11.8人と上位である。
https://data.oecd.org/healthres/nurses.htm#indicator-chart
たしかに日本の人口当たりの医師数は多くない。だから日本は「医療崩壊」の瀬戸際にあるのだろうか。
森田医師はそうした見方を否定する。なぜなら被害の規模が欧米各国よりもはるかに小さいからだ。
記事執筆時点での数字をみると、アメリカの感染者数は日本の30倍以上、死者数は40倍以上だ。ヨーロッパは国によって差が大きいが、優等生とされるドイツであっても感染者数、死者数は、それぞれ日本の12~14倍だ。
こうした状況は以下に示すアメリカのCDC(疾病対策予防センター)のデータで確認できる。
https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#global-counts-rates