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日本の医療制度に欠けているものとは?

「日本の医療制度に欠けているのは、病床数でも、医師数でも、看護師数でもない。臨機応変に対応する『機動性』である」

 この指摘が説得力を持つのは、森田医師の体験に裏打ちされているからだ。

 2009年、研修を終えた森田医師は北海道夕張市の夕張市立診療所へ飛び込んだ。のちには所長も務めている。夕張市といえば、財政破綻のために171床の市立総合病院が閉鎖され、19床の診療所になったことで、いま話題の「医療崩壊」のさきがけとされた地域である。

 ところが森田医師が夕張市へ住み、データを吟味したところ、市民の死亡率は悪化しておらず、健康被害もなかった。つまり「医療崩壊」していなかったのだ。なぜ夕張は医療崩壊を避けられたのか。そのキーワードとなるのが「機動性」だ。

 夕張の診療所は在宅医療やプライマリケアに注力し、高度医療や急性期医療は都市部の大病院へ依頼。他の地域や医療機関との機動的な医療連携があったからだ。

スウェーデンは機動的に対処

 そうした取り組みを実際に経験してきた森田医師だけに、「日本の医療に足りないのは機動性だ」と喝破することができるのだ。

 その機動性も、病床やスタッフを機敏に増減させる「縦の機動性」と、医療資源を不足地域へ移動させる「横の機動性」の2種類あるとした上で、いずれも欠如していると森田医師は指摘する。

 では、他の国にはある機動性が、なぜ日本にはないのか。

 その原因は決して医療の世界だけにあるわけではなく、じつは日々、日本の高度な医療サービスを享受している私たちとも大きく関係している。

出典:「文藝春秋」2月号

 森田医師が指摘する詳しい内容は「文藝春秋」2月号および「文藝春秋digital」掲載の「日本だけなぜ医療崩壊が起きる」で読んでいただきたい。そして、その問題を解決するための議論をはじめることが、いま奮闘している医療従事者の長期的な支援にもつながるはずだ。

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