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2021/01/20

不気味な株高が続いている本当の理由

 なぜこれほど株高なのか。それはコロナ禍を乗り切ろうと世界各国の政府が積極的な財政出動に乗り出し、中央銀行は金融緩和を続けているからだ。これによって世界中におカネが出回り、そのジャブついているおカネが株式市場に向かっている。だから不気味な株高が続いている。

 その流れ込み方は異様と言って良いだろう。1月6日から8日にかけての流れを例に取ろう。6日のダウ工業株30種平均の終値は3万829ドル40セント。前日比437ドル80セント高、率にすると1.44%も上昇した。

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 きっかけは米ジョージア州の上院議員選の決選投票で民主党が2議席を獲得し、上下両院で過半数を制したことにあった。株式市場は「バイデン次期政権が大型経済対策を打ちやすくなった」と評価し、株価は上がった。米国株式市場が株高に沸いたので、その後に開いた7日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比434円高の2万7490円13銭まで上昇した。

とにかく株を買う。理由は後付けでしかない

 7日の米国株式市場はこの流れが継続した。大統領と上下両院を民主党が抑えることを、同党のシンボルカラーから「ブルーウェーブ(青い波)」と呼ぶが、このブルーウェーブがこの日も続き、ダウ平均は3万1000ドル台乗せ。この流れを受けた8日の日経平均は2万8000円台を回復した。

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 株高は昨年後半から続いているが、去年上がった理屈は真逆だった。「どうやらジョージア州の選挙は共和党が一矢報いるだろう。そうなると下院は民主党が過半数を制するが、上院は共和党が過半数を占める。いわゆる『ねじれ』でバイデン政権がもくろむ法人増税が議会で通りにくくなるから企業業績にはプラスだ」。市場参加者はそう考えて株を買った。

 異様だと指摘したのは、投資家がその都度、都合の良い解釈をして株を買っていることを指す。ともかく株を買う。理由は後付けである。足元の状況を市場関係者は「いいとこ取り相場」というが、それはこんなところにも表れている。