――そうだったんですか。小説の舞台には、知っている場所を選ぶことが多いんですか。
西條 やっぱり本能的に、ある程度分かるところを拾いがちですよね。『心淋し川』の千駄木も、前に何度か行っていい街だなと思っていたので、おそらくそれで引っかかっていたんだと思います。深川をよく書くのも、馴染みがあって地理が頭に入っているので圧倒的に書きやすいからなんですが、いっぱい出しすぎちゃったので、最近は六本木とか麻布とか、あちこち出すようにしています。
アニメは週に15~16本は見る
――なるほど。現代ものの『秋葉原先留交番ゆうれい付き』は、秋葉原の交番に勤務するオタクな警官と、社交的で幽霊も連れてきちゃう警官のコンビが町の事件に遭遇する話ですよね。秋葉原という場所を選んだのは。
西條 オタクものが書きたかったんです。私自身もアニメオタクなので。で、オタクといえば一応秋葉原かな、って。中野でも池袋でもよかったんですけれど、秋葉原のほうが若干馴染みがありました。
――どういうアニメが好きなんですか。
西條 結構ガッツリ、週に15~16本は見ます。会社員だった頃は読書がなによりの趣味だったんですが、活字が仕事になってしまうと、息抜きは活字以外のものじゃないと気が休まらないんです。漫画ですらも、文字が入っているのでどうしても仕事脳の状態で読んでしまう。仕事と切り離して見られるアニメが一番気晴らしになっています。今は配信サイトもあるので同じシリーズを延々と見たりもできますし。
――最近だと、何を見ていましたか。
西條 「おそ松さん」とか、「ハイキュー!!」とか、「進撃の巨人」とか……。かなりの本数を見ているので、オタクの域だと思います。最近始まった「2.43 清陰高校男子バレー部」とかも見ていますよ。
――深夜枠のアニメは録画して見るんですか。
西條 そうですね。私は朝仕事をするので、夜は12時くらいには寝るようにしているんです。なのでどれも録画して、一日に3本くらい見られたらいいな、くらいの感じです。
――執筆は朝型なんですね。
西條 起きてすぐ書き始めるんです。朝の7時くらいから仕事しながら朝ごはんをちょこちょこ食べて、うまくいけば午後3時くらいまで書いています。その後、メールの返信をしたりゲラをやったり、図書館に資料を探しに行ったりして。
――そしてアニメを鑑賞する。
西條 アニメを見るのが至福です。旅行も好きで、長期のお休みはなかなかとれないけれど、時間が空いたら1泊2泊でポンと一人で国内旅行するのが好きでした。それが今、コロナ禍で全然できなくなっちゃって。外食も好きだったのにそれもなくなって、本当にふさぎますよね。でも、アニメは家で見られるので。