1ページ目から読む
4/4ページ目
「日本政府を相手にしたこの裁判自体を日本は認めていないし、問題は過去の日韓条約や政府合意で解決済みの立場ですが、裁判を起こしている原告の支援団体は、基本的には文政権の支持勢力。つまり『政権の枠の中』の人たちで、内輪の問題だということです。保守系の朴槿恵政権だったら難しいことですが、文大統領がその気になれば説得できるはずです」
これには前出の韓国人ジャーナリストも同意見だ。
「『正義連』前理事長だった尹美香(ユン・ミヒャン)氏も、いま国会議員となって与党・共に民主党に所属しています。彼女のスキャンダルもあって、国民の慰安婦支援団体に向けられた視線も厳しい。文在寅大統領が本気で積極的に関与すれば、激しい反発があっても、同意を得ることは難しい事ではないと思います」
秋になれば、韓国政界は次の大統領選ムード
“史上最悪”という表現が繰り返される日本と韓国の関係は、今後どのように推移するのか。在ソウルの日本人ジャーナリストが語る。
「今回の会見で感じたのは、文大統領の政治判断次第で『日韓関係は大きく変えることができる』ということ。秋になれば、韓国政界は大統領選ムードに突入する。日韓関係が最悪のまま政権が終われば、いくら日本が相手とはいえ、文大統領の外交能力やリーダーシップ、資質が問われてしまう。今後日本に必要なのは、文政権がどうアクションを起こすのかしっかりと見定めて行動することです」
冷え冷えとした状態が続く日韓関係に、本当の春は来るのだろうか。