2021年1月16日。ジャニーズ事務所は公式サイトに“ジャニーズJr.制度改定に関するご報告”なる文書を掲出しました。
本文書の肝は「満22歳到達後の最初の3月31日までに、ジャニーズJr.としての活動継続についてジャニーズ事務所との合意に至らない場合は、ジャニーズJr.の活動としては同日をもちまして終了とさせていただく」(2023年3月31日より適用)というもので、ジャニーズJr.に“22歳定年制”が導入されるということで世間の耳目を集めています。
これまでジャニーズは、シンデレラボーイたちが集う“約束のないネバーランド”のようなものでした。その王国に導入される定年制は、さしずめ魔法が解ける“12時の鐘”でしょう。
ふわっとした「Jr.」という仕組み
文書のタイトルには「ジャニーズJr.制度」とありますが、ジャニーズJr.という組織はそもそも「制度」というほどカチッとしたものはありませんでした。
ジャニーズJr.に入るケースとして多いのは、本人や周囲が事務所に写真と履歴書を送り、数日後か、1カ月後か、あるいは1年後か、それぞれのタイミングで事務所から声がかかり、オーディションを受ける、もしくはレッスンに通うようになって、なんとなく“ジャニーズ人生”が始まる……というもの。
他にも、バラエティー番組「Ya-Ya-yah」(テレビ東京系)の公開オーディションに合格した山田涼介さん(27・Hey! Say! JUMP)や、渋谷のスクランブル交差点でジャニー喜多川さん(前社長)に直接声をかけられた東山紀之さん(54)のようなケースもあります。
Jr.の将来は全く約束されていない
しかしジャニーズJr.になれたとしても、将来はまったく約束されていません。まずは次のレッスンに呼ばれること、スタッフの目に留まること、前に出ることが求められます。そしてユニットを組み、オリジナル曲をもらい、ライブを行い、ひとつずつ目標をクリアしながら“CDデビュー”を目指すのが王道です。
この“CDデビュー”こそが、ジャニーズ事務所の中で一人前のタレントとJr.を分けるものです。だからこそ“CDデビュー”は勲章としてジャニーズJr.たちを奮い立たせると同時に、呪いとして彼らを縛りもするのです。