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メンズヘルス専門の外来がベスト

 医療機関を受診する場合は、男性更年期障害専門外来やメンズヘルス外来など専門の外来があるところがベストです。「日本Men's Health医学会」のホームページには全国にあるメンズヘルス外来など専門外来が掲載されています。採血してテストステロン値を調べ、診断がついたら漢方薬、または注射や塗り薬のテストステロン補充療法、そして生活改善を指導します。これらの治療で8~9割の患者さんの症状が改善します。普段の生活での予防・改善策としては、適度な運動、スキンシップも有効なので夫婦で手を繋いでウォーキングもいいですね。またビタミンEが多く含まれたアボカドや山芋やオクラなどのネバネバ系の食品は、男性ホルモンの増加に効果的です。

©️iStock.com

半集中 風の呼吸 暖簾に腕押し糠に釘(編集後記)

 私はいま50代で、LOHど真ん中世代。「男性更年期盛り」の年齢だが、AMSテストを試してみると、これがほとんどあてはまらない。ほんとに。テストステロンが分泌過剰なのか、まさかのノー・ストレスなのか……。ただの変態オヤジという可能性も否定できない。「人生の山は通り過ぎた」という自覚はもちろんある。実際、そうだから。定年、そして死というものがリアルに視野に入ってくると、春になれば「この桜もあと何回観られるのか」と思うし、校了日には「あと何回VERYに関われるだろう」と少し黄昏れる。「憂うつな気分」とはこのことか。

 さて、一般的に、男性はいろいろ弱ってくると、守りに入り警戒心も強くなる。すぐにイライラするのも、「俺をバカにしただろう」と突然キレるのも、被害妄想的・過剰防衛反応。男性更年期障害という指標を知っていれば、「あ、このイライラはいよいよね」と冷静に対応できる。不機嫌オーラを出してくる人間は基本「かまってちゃん」なので、まずは相手にしないこと。下手にかまうと「待ってました」とますます絡まれる。露骨に無視をするとこじらせる危険性があるので、鈍感力全開の疑似コミュ障演技で気づかないふりをする。「そういう空気読めない人間なんです私」(これは不機嫌でその場を支配しようとする職場の上司に対しても有効。ただし、一貫性、持続性が要求される技)。彼らはイライラし甲斐がなくなるので、少なくともあなたに不機嫌オーラを発動することはなくなるはず。「糠に釘」の糠になれ、壱ノ型・糟糠之妻。それでダメならプロの力を借りるネクストステージへ。いずれにせよ、更年期もいつか終わります。それはそれでまた、さびしいけど。(フォレスト・ガンプJr.)

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取材/立花あゆ イラスト/88:70 編集/フォレスト・ガンプJr.

教えてくれたのは…

井手久満先生

 獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科教授・低侵襲治療センター長、こころとからだの元氣プラザでも男性更年期外来にて診療