恋愛の心理を赤裸々に描き、多くの読者の共感を呼んだ漫画、『アラサーちゃん 無修正』や『女くどき飯』などで知られる漫画家、峰なゆかさん。『アラサーちゃん 無修正』は、2014年に壇蜜さん主演でテレビドラマ化するなど、一大ムーブを巻き起こし、『アラサーちゃん』と『アラサーちゃん 無修正』でシリーズ累計70万部超のベストセラーとなった。
峰なゆかさんは、『恋のから騒ぎ』元メンバーという肩書で、2005年から5年間、AV女優として活動をしてきた。そんな峰さんが、当時を振り返った半自伝的作品が、2020年12月に発売された『AV女優ちゃん』だ。AV女優の価値やレッテル、サイン会で受けた暴言や学生時代の痴漢被害など、作品についてのお話をうかがった。(全2回の1回目。後編へ続く)
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「私、19歳でAVにスカウトされるまで、自分がスタイルが良くて、胸が大きいって気付いていなかったんですよ。スカウトされて下着で写真を撮るときに脱いだらびっくりされて。『君すごいよ!』って言われても、え、そうなの? って感じでした。それまでも男性に裸を見せる経験はあったけど、高校生と付き合う男性って『お前、太ってるなー。お腹の肉つまめるよ』って、上から目線で話してくるような人が多かったから」
「巨乳」と「恋のから騒ぎ出演」の肩書を武器に、AV女優ヒエラルヒーの最上級である「単体」女優としてAVデビューを果たした峰さん。ギャラは1本150万円程度、そしてデビュー作は3万枚のヒットとなった。
「AVの出演料って、昔のほうが女優さん1本当たりのギャラは高かったんですよ。1本、何千万レベルの人もいたりして。見た目も普通でしたよ。20、30年前の方が、AV女優への風当たりがめちゃくちゃ強かったんで、出るのに本当に抵抗があったというか……。借金まみれで親もいない人が出る、みたいなイメージだったと思う。
ギャラでいうと、今はどんどん安くなってるんですね。でもそれはAV女優へのハードルが低くなったから。私が現役で出演してたのが5年間くらいだったんですけど、女の子にギャラの話をすると『うわぁ、めっちゃ低っ!』って言われるほどだった。引退する頃には、AV出演についても、普通に『それってどんな感じなの?』って気軽な感じに変わっていたので、今はもっとかなり気楽なはず。昔の高かったギャラは、ハードルが高い分の費用が上乗せされているわけじゃないですか」