山本 ただ、スベったらメンタルはやられますけど、それをいじられて周りの芸人さんから笑いが起こったりするんですよね。僕らだけでネタやって、僕らだけでスベるってわけじゃないので救われますね。今までこういう役回りはやってきていなかったので、すごく新鮮です。あと、そこに食らいついていければ「芸人としてまだ死んでないのかな」って思えるので、ある意味試金石みたいな存在ですね。僕らは客ウケばかりを追求してきて、芸人ウケがまったくなかったので、そこをすごい鍛えられている感じがします。
灯台みたいに道を照らす「有吉さん」の存在
――それこそ事務所の先輩でもある有吉さんから何かアドバイスをもらったりするんですか?
山本 「お前はもっとこうしろよ」とか直接、言われたことはないですね。ただ、灯台みたいに道を照らしてくれているのは感じますね。ご本人が意図しているのかはわからないですが、「こっちのほう来たらいいんじゃない?」みたいに進む道を指してくれている気がします。
関 進む道が違うと不機嫌な表情になるので、それで「あっ、こっちじゃなかったんだ」って慌てて舵を切ったりします。
山本 有吉さんが「お前ら芸人に一切、面白いと思われてないもんな」とかイジってくれるようになったのも大きいですね。有吉さんが言うことで「実は俺も思ってました!」って芯を食ったようなことを言う輩が増えてきたんです。不満ですけどね(笑)。ただ、それがちょっとずつ笑いに昇華されてきているというか。そういうイジリを見て、周りからは「やっとお前ら芸人にもちょっとおもしろいって思われるようになってきたな」って言われるようになりました。
追い込まれたら、自分たちの力量を超えた笑いが
――お2人の個性を引き出そうとされているのかもしれませんね。
山本 あと、『有吉の壁』に出たことで今までにないお笑いの楽しさみたいなのは味わえましたね。とにかく明るい安村と3人でネタをやったんですが、その時は用意してきたネタを全部出し尽くして、それでも有吉さんが詰めてくるので、めちゃくちゃ追い込まれたなかで3人で絞り出したんです。そうしたらそれがボカーンってウケたんですよ。その時は「お笑いやっていてよかった~」って思いましたね。
関 これまでそういうのを経験してこなかったんですよね。
山本 自分たちで用意したネタでウケるというのはもちろんあったんですけど、それはある意味で「想定内」だったんです。でも、追い込まれて、追い込まれて、そこから自分たちの力量を超えた笑いが起きたんで、そういうのは最高だなって思いましたね。